マクラーレン・グループ(以下マクラーレン)の25%の株主で会長兼CEOでもあるロン・デニスは、今年末で切れる契約を更新できない模様だ。
すでに報じられているように、マクラーレンの75%の株は共同オーナーのマンスール・オジェとバーレーン国営ファンドが保有している。
ロン・デニスは、自身の支配力を保つためにあと25%以上の株を買い取り、合計50%以上の株を保有しようと画策したものの、デニスの支配を拒んだ両者との関係がこじれてしまった。オジェはバーレーン国営ファンドと手を組み、現在合わせて75%を保有する両株主は、ロン・デニスとの契約を更新しない方針だという。これにより、35年間続いたロン・デニス体制が終わりを迎えそうだ。
■ロン・デニスの代わりは?4人の名前
先週のF1アメリカGP開催中には、ロン・デニス後任候補者として『BBCスポーツ』が他の3人の名前が上げていた。1人目は元F1チームボスのロス・ブラウン。2人目は元マクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュ。そして3人目はイギリスで有名なスーパーマーケット、セインズベリーズの元CEOで、現在はマノーの会長を務めるジャスティン・キングだ。息子のジョーダン・キング(22歳)は現在マノーの開発担当ドライバーを務めている。
今回新たに名前が挙がったのは、マンスール・オジェとバーレーン国営ファンドとも親しくしている、ザク・ブラウンという44歳のアメリカ人だ。ブラウンは、F1やチームの商業面において各種スポンサーを呼び込むなど非常に優れた功績を残してきたが、9月末にはマーケティング・エージェンシ『JMI』のトップを辞任している。
ブラウンは、F1の新オーナー、リバティメディアの下で、チーフ・コマーシャル・オフィサー(最高商業責任者)に地位に就くとも言われており、2013年にボーダフォンを失って以来タイトルスポンサー不在のマクラーレンとしては、ブラウンを手に入れ、その手腕に期待したいところだろう。
ちょうど、マクラーレンと21年続いたエクソン・モービルとの契約は来季からレッドブルに持っていかれ、マクラーレンはBPと契約をしたと報道されたばかりだ。
1981年から35年間マクラーレンを経営し、スーパーカーを販売するまでに成長させてきたロン・デニスはマクラーレンの代名詞となっているが、もし契約が更新されない場合、デニスは25%の株主のままでいたとしても会社内での役割や力を持つことはできなくなってしまう。
この騒動が、マクラーレン・ホンダのチーム編成や計画に影響するのは必至だ。