2016年F1シーズンを席捲するメルセデスAMG。ライバル勢は、これに立ち向かう態勢が今いち整っていない。以上のように考えるのは、元F1ドライバーのマーク・ウェバーだ。
かつて彼が所属したレッドブルは、ここ数戦、フェラーリに優る速さを見せている。今季12戦を終えてメルセデスAMG以外のドライバーで勝利を上げているのは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)だけだ。
「彼ら(レッドブル)はメルセデスAMGに迫りつつある」とドイツ『Auto Bild(アウト・ビルト)』誌に語るウェバー。彼は今、主戦場をスポーツカーに移してポルシェをドライブしている。「とはいえ、追いつくには至っていないと思う」
「(レッドブルは)時おり良いレースを行うものの、メルセデスAMGは、ほとんど土つかずの状態だ」とウェバー。「だが、レッドブルはフェラーリを追い越したね」
今季、フェラーリの戦いぶりは「盛大な期待はずれ」との見方にウェバーも同調する。
「セバスチャン(ベッテル)もキミ(ライコネン)も、自分たちでできることはやっている」とウェバー。「彼らドライバーは、報道陣の前ではチームをかばっているが、内々では、もっと何とかしろよと考えて当然だ」
「毎週毎週チームがベストを尽くしたところでペナルティや作戦ミスに足を引っ張られては、ドライバーたちも堪らない」と話すウェバー。
ウェバーにとってかつての同僚セバスチャン・ベッテルは、フェラーリを引っ張って行けるだろうか。そんな問いにウェバーは、次のように答える。「疑うべくもない。彼にはできる。しかし、そんな彼にも優秀な人々は必要だ。いま現在、スタッフに恵まれているかと言えばそれは怪しいね」
「フェラーリは常にマスコミの攻撃にさらされている。好成績が義務付けられているのだ。セバスチャンにとってはストレスだろうが、彼の経験がカバーしてくれるだろう」
ところで、ウェバーにとってもう一人の旧チームメート、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)は、ルイス・ハミルトンとのチーム内バトルで劣勢にまわっている。
ロズベルグに打つ手は?ウェバーの答えは、次のとおりだ。「脇目もふらず戦うことさ!シーズンは長い。エネルギーを使い分けながらルイスと争うのは、ときに骨が折れるものだ」