F1チャンピオンのメルセデスAMGは、スタートを改善するために、親会社のダイムラーにクラッチの改良を依頼している。
F1開幕戦オーストラリアGPで、メルセデスAMGはフロントローを独占しながら、スタートでフェラーリ2台に抜かれて苦しい展開に追い込まれた。
今年からルールが変更され、スタートで使用するクラッチがこれまでの2つから1つに制限されており、これに最もうまく対応したのがフェラーリではないかと見られている。
バーレーンGP(3日決勝)でもメルセデスAMGはフロントローを確保したが、2列目には今回もフェラーリが並んでおり、スタートでのジャンプアップをねらっている。
予選3番手のベッテルは、「2週間前と同じことをスタートでやれれば理想的だね」と話し、「そうなっても僕は別に気にしないよ!」と笑顔で続けている。
■ダイムラーの研究部門がクラッチを開発中
メルセデスAMGも、スタートではフェラーリに分があることを認めている。
ビジネス部門のエグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、親会社のダイムラーにクラッチの改良を依頼したと『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に明かした。
「ダイムラーがわれわれのために新しいクラッチを作っている」
「われわれは研究部門に助けを求めたんだ」
しかし、ヴォルフは「準備がいつ整うか、正確には分からない」とし、「数週間か数か月か」と話している。
ポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)も、チームがスタートの改善に取り組んでいるものの、状況が劇的に変わるとは「ちょっと考えられない」と認めている。
■フェラーリにも不安材料
しかし、不安材料を抱えているのはフェラーリも同じだ。オーストラリアGPでは、ターボにトラブルが発生してキミ・ライコネンがリタイアしている。
ターボに根本的な問題があるのかとフィンランドのテレビ局『MTV』に聞かれたライコネンは、「少なくとも前回のレースではあったね」と答えるにとどまっている。
問題が解決するまでフェラーリはフルパワーで走れず、それが特に予選に影響を及ぼしているのではないかと見られている。
バーレーンGPの予選で、フェラーリはメルセデスAMGに対して0.5秒の差を付けられた。
「でも、予選と決勝はまったくの別物だ」とライコネンは話す。
「決勝で毎回彼らに近づけるのは分かっている」