今季、メルセデスAMG最大のライバルとなるだろうと言われるフェラーリだが、大規模な改良を施した2016年型車SF16-Hには自信を持っていると伝えられている。
だが、ここまでのところ、信頼性の問題により、そのさらなる改善が妨げられている状態だという。
■まだ差は大きいとフェラーリ関係者
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、フェラーリのある内部関係者が次のように語ったと報じている。
「(メルセデスAMGに対する)フェラーリの遅れは決して小さくない。さらに大きくなってしまっているよ」
■実力を隠そうとしているわけではないとヴォルフ
一方、1日(火)のテストにおいてソフトタイヤでトップタイムを刻んでみせたメルセデスAMGのニコ・ロズベルグは、現段階ではメルセデスAMGとしてまだ手の内を見せたくはないと考えているものの、「自分たちがどういう位置にいるのかという感触はつかんでおく必要があるんだ」と余裕とも言えるコメントを行っていた。
しかし、メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、ほかのチームに対して実力を見せないようにするためにウルトラソフトタイヤを使わないでいるわけではないと次のように語った。
「それは我々のスケジュールによるものなんだ。それにあのタイヤ(ウルトラソフト)はこのサーキットにはあまり合わないからね」
■フェラーリとの差は小さいとロズベルグ
ロズベルグは、ウルトラソフトは使っていないものの、「すごくいい感触を得ているよ。現時点では僕たちのレベルはすごく高い」と語り、次のように付け加えた。
「だけど、フェラーリとの差は小さいよ」
■この段階で本当の差は分からないとライコネン
このロズベルグのコメントに関して質問を受けたフェラーリのキミ・ライコネンは次のように答えた。
「僕にはメルセデスAMGがどういうプログラムをやっているのか全然分からないし、メルセデスAMGだって僕たちのことは分からないはずさ。だから、そういうことをあれこれ考えても全然意味がないよ」
フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネが、今年は開幕戦(オーストラリアGP/3月20日決勝)で優勝を目指さなくてはならないとチームを鼓舞したことはよく知られている。
だが、ライコネンはそのことでいつも以上のプレッシャーを感じているようなことはないと次のように語った。
「それはフェラーリにいる全員が目標にしていることだよ。ボスだけじゃなくてね。F1では、常にプレッシャーを抱えているものさ」