先週末のF1シンガポールGPでは、これまで絶対的な強さを発揮していたメルセデスAMGが突然失速するという信じられない事態となった。
【結果】F1シンガポールGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント
これまでの最大のライバルであったフェラーリばかりでなく、レッドブルにも対抗することができなかったメルセデスAMGだが、なぜこれほど急に戦闘力が落ちてしまったのか、その理由はいまだに不明だ。
そのシンガポールGP決勝で原因不明のトラブルで今季初めてのリタイアを喫したハミルトンは、チームが23日(水)に出した公式日本GPプレビューの中で「シンガポールは奇妙な週末になってしまったけれど、今ではもう落ち着いているよ」と語り、次のように付け加えている。
「ここまでは素晴らしいシーズンになっているし、すべてのレースで勝つことはできないということを受け入れられるだけの経験も積んでいるからね。だから、もう過去となった週末のことは忘れて、次のレースに目を向けているんだ」
だが、チームが発行する公式リリースとは違い、もっと自由に発言できる通常のメディアに対して行われたハミルトンのコメントは、少しばかりニュアンスが異なっている。
イギリスの新聞社から、日本ではメルセデスAMGが反撃できるという自信があるかと質問されたハミルトンは、次のように答えた。
「自信なんて全然ないよ。自信を与えてくれるような情報は何も伝えられていないからね」
「あれが一度限りのことであるよう望んでいるけれど、少なくともものすごく奇妙な週末だったことは事実だからね」
メルセデスAMGが出した公式リリースの中では、トト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)もパディ・ロウ(技術担当エグゼクティブディレクター)も、シンガポールで陥ったスランプの原因については何も明かしていない。
ヴォルフは、「シンガポールでのパフォーマンスは予想を大きく下回るものだったし、今後に向けて多くの課題を残した」とし、ロウは「今後に向けて、よい調子を取り戻すことを確実にするため、多くの分析すべきことを手に入れてあの週末を終えた」と語っているのみだ。
ハミルトンは、イギリスの各紙に次のように付け加えている。
「僕のエンジニアたちに、彼らがその原因についてどう考えているのか教えて欲しいと頼んだんだ。だけど、次のレースまでにはあまり時間がないからね」