マクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンが、今どうやってチームをよくしていくかということだけを考えていると主張した。
今季、かつてF1でも有数の黄金時代を築いたマクラーレン・ホンダの新プロジェクトがスタートした。だが、ここまでのところ、ホンダのパワーユニットは信頼性とパフォーマンスの両面で大きくライバルたちに後れをとることとなっている。
多少の苦戦は予想されていたものの、まさかここまでは、というのがファンやF1関係者たちの偽らざる印象だろう。
■ホンダやマクラーレンを信じるとバトン
フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』から、F1に復帰したホンダが正しいアプローチをしていると思うかと質問を受けたマクラーレンのジェンソン・バトンは、「それは彼ら(ホンダ)に聞くべきだよ」と答え、次のように続けた。
「個人的には、僕は彼らを信じている」
「僕たちは、何か問題を抱えたときには常にそれを解決している。ひとつだけ言えるのは、問題を解決すればするほど、さらに新しい問題が発生してしまうということだ」
現役ドライバーの中ではF1最多出走数を誇る35歳のバトンは、ホンダは信頼性向上よりもパフォーマンス向上のほうに焦点を合わせていくべきだと主張している。もし今シーズン中にライバルメーカーにパフォーマンスが追いついていけないようであれば、2016年シーズンにも苦戦を強いられるのは明らかだというのがその理由だ。
さらに、昨年からレーシングディレクターとしてチームのけん引役となっているエリック・ブーリエには今も信頼を置いているかと質問されたバトンは次のように答えた。
「エリックはチームから非常に尊敬されていると言うことができる」
「今は厳しい時期を過ごしているけれど、誰も信念を失ってなどいないよ。こういう難しい時期には、全員のやる気を保ち続けることがものすごく重要だけど、エリックはチームのために素晴らしい仕事をしている」
■先のことを考えても意味がない
最近、そのバトンが来季もマクラーレン・ホンダのドライバーとして残留できるかどうかは微妙だという報道が行われていた。
そうした中、自分自身の将来についての質問を受けたバトンは、次のように答えた。
「僕は、今現在のことを考えているんだ。先のことなど考えていないし、ましてや10年後に自分が何をしているかなんて考えてもいないよ。僕は今の自分の仕事にどっぷりとつかっているところさ」
「明日何が起こるかなんて僕には分からない。だから、そんなことを考えても意味がないよ。今を生きることが大切だし、僕たちは今この状況を変えていこうとしている。それもできるだけ早くね」とバトンは付け加えた。