F1統括団体でもあるFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長が、12日(金)にマラネロにあるフェラーリ本部を訪れていたようだ。
フェラーリ専属ジャーナリストとして知られるレオ・トゥッリーニが、自身の『Quotidiano(クオティディアーノ)』のブログで明らかにしている。
トッドは、先週末にル・マン24時間レースが開催されたサルト・サーキットに顔を見せていたが、その前にフェラーリ本部に立ち寄っていたらしい。
トゥッリーニは、冗談めいた調子で、フェラーリの元チーム代表でもある69歳のトッドがフェラーリを訪れたのは「望郷の念」に駆られたものだろうとし、恐らくはトルテリーニ(パスタ)を味わうためか、あるいは新しいフェラーリのスポーツカーを買うという目的もあったのかもしれないと書いている。
だが、今回トッドがフェラーリを訪問した目的は、現在のチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネと、今後のF1の進むべき方向性や、新たなレギュレーションに関する話し合いを行うためだったのではないかと考えられている。
あるいは、来季からフェラーリとの協力関係のもとにF1新規参入を予定しているアメリカのハースF1について、トッドがフェラーリと話をしたかったのかもしれない。トゥッリーニによれば、このハースF1とフェラーリの関係については、「メルセデスAMGとレッドブルから、現行のルールに抵触するものではないかとの訴えが出されている」という。
近年のF1人気衰退という状況を受け、現行のルールや統率体制を見直すべきだとの声がF1関係者の間に強まっている。そして、当然ながら、統括団体であるFIAの会長を務めるトッド自身もさまざまな批判を受ける立場となっているのは確かだ。
『Times(タイムズ)』のケビン・イーソン記者は、次のように書いている。
「トッドは、F1においてはあまり影響力のない人物だと見られている。F1が抱えている問題に介在することができず、またそうしたいという意欲も持っていないようだ」