マックス・フェルスタッペン(トロロッソ)が今週末のF1モナコGP(24日決勝)の主役の座を奪いそうな勢いだ。
17歳でF1デビューを果たしたフェルスタッペンは、レッドブルの育成ドライバーの一員でもある。そのフェルスタッペンの指導者の位置にあるレッドブルのヘルムート・マルコは、すでにフェルスタッペンのことを「新たなセナ」と呼び、絶賛していた。
■モナコGPフリー走行1回目で2番手
そのフェルスタッペンが、21日(木)にドライコンディションのもとで行われたフリー走行1回目では、2014年のF1チャンピオンであるルイス・ハミルトンに肉薄するタイムで2番手につけ、さらに株を上げた状況となっている。
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーも、「あいつはまだレンタカーを借りて運転することもできないのに、けた外れにすごいね」と大絶賛だ。
■さらにプレッシャーがかかるクビアト
現在、フェルスタッペンはレッドブルのジュニアチームであるトロロッソのドライバーを務めているが、兄貴分のレッドブルに今年トロロッソから昇格したのが21歳のロシア人ドライバー、ダニール・クビアトだ。
クビアトも2014年にトロロッソからデビューしたばかりだったが、その走りの才能を見込まれて、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)の離脱が決まった時点でレッドブルのレースドライバーに大抜てきされていた。
だが、今季のレッドブルはここまで大苦戦を強いられており、クビアトもエンジントラブルによるリタイアなどに苦しめられて期待されたような活躍を見せることができていない。
クビアトにとっては不吉な兆候だが、レッドブルのドライバー育成責任者であるマルコはすでにクビアトの進歩に関して批判的に聞こえるコメントを行い始めている。
■クビアトにも高い潜在能力が
「ヘルムートは、思ったことをすぐ口に出すくせがあるからね」
そう語ったホーナーは、クビアトを見限るのはまだ早すぎると次のように続けた。
「彼は若いし、まだ発展途上なんだ。我々は彼が素晴らしい潜在能力を秘めていると見ているよ」
そうは言っても、今年デビューしたフェルスタッペンがこれほどの活躍を見せれば、クビアトの影が薄くなるのも致し方のないことかもしれない。
■F1最高責任者もフェルスタッペンを絶賛
フェルスタッペンの活躍は当然ながら、すでにF1最高責任者であるバーニー・エクレストンの目にもとまっている。エクレストンは才能あるドライバーをスター選手にすべく、最高のクルマを持つチームに移籍するよう働きかけることでも知られている。
「彼(フェルスタッペン)には本当に満足だよ」
モナコでそう語った84歳となるエクレストンは、次のように付け加えた。
「彼とカルロス・サインツ(トロロッソ)はものすごくいい仕事をしている。フェルスタッペンは特に印象的だよ」