ドライバーとコンストラクターの両F1世界選手権をリードするメルセデスAMG。だがニキ・ラウダは、フェラーリに対する警戒を怠らない。
メルセデスAMGを上回る量の新パーツをバルセロナに持ち込んだフェラーリ。F1第5戦スペインGP予選では、相変わらずセバスチャン・ベッテルが3番手に付けた。だが初日フリー走行後に彼の話を聞くと、メルセデスAMGのペースに近づいた実感はまだないという。
「依然として差があるね、残念ながら」とベッテル。
「この調子を維持できればいいけれど、たかがコンマ4秒、されどコンマ4秒だ。それ以上に広がる可能性だってある」
しかしメルセデスAMG会長ニキ・ラウダによれば、だいじな2015年F1ヨーロッパ・ラウンドの幕開けに合わせてフェラーリは調子を上げてきたという。
「予選だけなら、恐らくポールポジションはルイス(ハミルトン)かニコ(ロズベルグ)のものだろう」とラウダ。「だが、今後どうなることか」
「判断は(スペインGP)決勝まで待ちたい。フェラーリはもはや、後方の存在ではない。近づいていると思う」
ニコ・ロズベルグはどう感じているのか。
「フェラーリはかなり接近している」とスペイン『Marca(マルカ)』紙に語るロズベルグ。「でも、まだ僕らがベストのチームだ。それはバーレーンGPから変わらない」
「僕らは予選が速く、彼らフェラーリはレースに強い。でも10日(日)の決勝で勝つのは僕らさ」
フェラーリを必要以上に恐れるラウダ。だが、それはただのポーズかもしれない。メルセデスAMGを巡って、あるうわさが流れているのだ。現行規則を変えたくない彼らは、ワザとフェラーリを近づけさせ、その差を一定の範囲内でコントロールしているというものである。
メルセデス・エンジンを使用するウィリアムズのバルテリ・ボッタスは、バルセロナで次のように話している。「彼ら(メルセデスAMG)がそんなことするかなあ」
「フェラーリは、メルセデスAMGにプレッシャーを与えながらポイントをかっさらっているじゃないか。わざわざ、そんな手の込んだことをするとは思えないね」