ルノーが、ライバルのメルセデスに追いつくためにルール変更を求めたりなどはしないと主張した。
新たなV6パワーユニットが導入された2014年は、メルセデスが圧倒的な強さを示してみせた。そして、今年はフェラーリが着実にメルセデスとの差を詰めてきたことを示している。
2週間前のF1マレーシアGPでフェラーリのセバスチャン・ベッテルに優勝をさらわれたルイス・ハミルトンは、今週末の中国GP(12日決勝)を迎えるにあたって『Sky(スカイ)』に次のように語った。
「彼ら(フェラーリ)とレースができることを期待しているよ」
「彼らはストレートでは僕らと同じくらい速いし、この前のレースでは驚くようなペースで走ってみせたからね」
だが、一方で大きく後れをとったというイメージがあるのがルノーだ。ルノーからワークスエンジンの供給を受けるレッドブルは、2014年と比較してもさらに「後退してしまった」ようだとの批判も行っている。
そのレッドブルは、ルノーエンジンがこのままずっと浮上することはないだろうとの推測のもと、現在のF1エンジンルールを変更するか、あるいは意図的に各エンジンの力を「均一化」することを強く求めている。
しかし、ルノーのF1エンジンプロジェクト責任者であるシリル・アビテブールは、ルノーも追いつくことはできるし、「それゆえ、レギュレーションの変更なども必要ではない」と主張している。
「私は、ライバルたちに追いつくために、これまで一度もレギュレーションの変更を求めたことなどない」とドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』に語ったアビテブールは、次のように付け加えた。
「我々には、メルセデスのレベルに追いつくことができないという理由など何もない。それは時間の問題だ」
確かに開幕戦のオーストラリアGPでは不本意なスタートを切ったルノーだが、続く第2戦マレーシアGPでは調子が上がってきているし、今週末の中国GP(12日決勝)ではさらなる改善を示すことができるという。
ルノーのオペレーションズディレクターであるレミ・タファンも次のように主張している。
「パフォーマンスはマレーシアでは改善されていた。信頼性の問題のためにいくぶん(パワーを)抑えていたにもかかわらずね」
「今では、このエリア(パフォーマンス)に関してもさらに自信を得ているし、もっと攻撃的な取り組みも可能だ。最高速も上がってくるし、ストレートではこれまでもいい結果が得られるはずだ」
アビテブールもさらに続けた。
「マレーシアでは、ドライバビリティーの改善にも取り組んだが、メルボルン(オーストラリアGP)とセパン(マレーシアGP)の間にすべての問題を解決することはできなかった」
「問題のうち60パーセントを解決できたと言ってもいいだろう。だが、それだけでも大きな違いが生じていたよ」
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、マレーシアにおいて、ルノーエンジンの問題がある限り、中国GPが行われる上海インターナショナル・サーキットの非常に長いストレートのことを考えると「憂うつになる」と語っていた。
だが、アビテブールは次のように主張した。
「メルセデスAMGに対して大きく後れをとるとは考えていない。我々のシミュレーターでもそれは見て取れる。どうすればいいのか、私たちには分かっているよ」