先週末に行われた2015年のF1開幕戦オーストラリアGPではまったく走行することができずに終わったマノー・マルシャだが、来週末の第2戦マレーシアGP(29日決勝)に出走するために機材やF1カーがクアラルンプールに輸送されているところだと主張している。
マノー・マルシャは先週末のオーストラリアに顔を見せてはいたものの、それは2014年のコンストラクターズランキング9位に対して送られる賞金を受け取る権利を確定させるのが目的であって、最初からレースに出るつもりはなかったのではないかとのうわさもささやかれていた。
F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、予選に出走しなかったマノー・マルシャに対して事情聴取を行ったが、参戦する意図があったことは確認できたとして、ペナルティーなどが科されることはなかった。
だが、F1の商業権を取り仕切る最高責任者のバーニー・エクレストンは、マノー・マルシャが実際にオーストラリアGPに出走しようという意思は「ゼロ」だったと確信しており、チームに対して輸送費用を請求すると発言している。
これに対し、マノー・マルシャの創設者であり、チーム代表も務めるジョン・ブースは、実際にはエクレストンはチームを支援してくれていると『Press Association(PA通信)』に次のように語った。
「バーニーが何かを見落とすことなどないよ。そうだろう? 彼には、すべての段階においてその進展状況が知らされていたんだからね」
マノー・マルシャでは、オーストラリアで出走できなかったのはソフトウエアの問題だったのだと主張している。管財手続きに入っていた時点でいくつかのチームの備品や機器類、そして本部施設などが競売にかけられて売却されたことはよく知られているが、チームのコンピューターも売却するためにインストールされていたF1カーの走行に必要なソフトウエアがすべて消去されてしまっていたというわけだ。
だが、ブースは、その問題についてもマレーシアの前に解決できる十分な時間があると次のように続けた。
「我々は、先週の頭ころとは全然違うレベルに到達している」
「非常に大きな進展を見ることができた。ただ、完全に十分と言えるところまでには至っていないだけだ。だが、月曜日(23日)にはマレーシアに到着する予定だし、火曜日(24日)からサーキットでの準備に取り掛かるよ」
そう語ったブースは、次のように付け加えた。
「間違いなく金曜日(25日)には走行準備が整うはずだ」