元F1ドライバーのジャック・ビルヌーブがフェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)のフェラーリ脱退に言及。その内容は、同チーム寄りだ。
この冬、アロンソはフェラーリを離れてマクラーレン・ホンダ入りしたが、新車MP4-30を走らせるのがやっとの状況。
そのうえ先月、バルセロナで走行中に謎の事故を起こし、今も回復途上だ。
1997年のF1世界王者ビルヌーブは、そもそもアロンソがチームに対して忠誠心を持っていれば不仲は避けられたと次のように語った。
「チームはアロンソを愛していた」とドイツ『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』誌に話すビルヌーブ。「ところがアロンソはチームに背を向けてしまった。そのため、愛は急激に冷めたのだ」
「年に3,000万ドル(約36億2,400万円)を稼ぎだすからといって、チームを愛さなくてもよい理由にはならない。いったい尊敬の念はどこに行った?」
「私は決して自分のチームを批判しなかった」とビルヌーブ。「いかにマシンがひどくてもね」。彼はウィリアムズを始め、BARホンダ(現メルセデスAMG)、ルノー(現ロータス)、ザウバーとチームを渡り歩いた。
「まったく「何様のつもりだ」といいたい。ところがどうだ。自分がお山の大将だと思っていたら、(セバスチャン)ベッテルがレッドブルを辞めると発表したとたん、アロンソの足元は音を立てて崩れ落ちた」
「チーム精神はどこへやら、政治家よろしくツイッターで何を主張するか、そればかりを考えていたのだ」
次いでビルヌーブはアロンソとベッテルを比較する。
「去年のセバスチャン(ベッテル)は、ちっともレッドブルを責めなかった。むしろすべきだったのに」と、いいたい放題のビルヌーブ。
「彼の姿勢はミハエル・シューマッハのそれと似ている。あくまでドライビングに集中し、常にチームに対する敬意を忘れない。そして、よけいな問題を起こさない」
フェラーリで一時代を築いたシューマッハ。しかしベッテルが同じ道を歩むのは無理だとビルヌーブは考えている。なぜなら、フェラーリのチーム哲学が変わってしまったからだ。
「ジャン・トッドが目を光らす日々は終わった」「一人のドライバーにすべてを集中する考え方は過去のものとなった」
「もちろん彼(ベッテル)だって競争力を持てるだろう。だがマイケル(シューマッハ)のように圧倒的な力を発揮するのは無理だ」