セバスチャン・ベッテル(レッドブル)は今季、三個目のシャシーを手にする。先週末のF1第12戦ベルギーGPでさらに、原因が分からないハンドリングの問題に見舞われたからだ。
四度のF1世界チャンピオンが抱えるトラブルが顕著となるにつれ、レッドブルはF1第5戦スペインGP(5/9-11)でいちど、ベッテルに新シャシーを与えている。
スパはベッテルが昨年勝った、彼にとって験がいいサーキットだ。ところが今年、好調のチームメート、ダニエル・リカルド(レッドブル)に勝利をさらわれるなか、自らはペース不足に苦しんだ。
「なぜ、このレースで僕のマシンはダニエル(リカルド)に歯が立たなかったのか説明できないよ」とは、ドイツ『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』にベルギーGPの不振について述べたベッテルだ。
「でも、きっと何かあるはず。どちらのマシンも同一だ。だったら、同じ性能が出ないとおかしい」
チーム首脳のひとり、ヘルムート・マルコ博士もベッテルに同意する。
「セバスチャン(ベッテル)があれほどダニエル(リカルド)にあれほどの遅れをとるのは、普通じゃない」と、マルコはドイツ『Auto Bild Motorsport(アウト・ビルド・モートアシュポルト)』に話す。
「彼(ベッテル)のいら立ちは理解できる。チームメートに勝たれてしまったんだからね。なるべく早く新シャシーを組み立てるつもりだ」
ところでレッドブルは、ベッテルを長年、影で支えたギヨーム・”ロッキー”・ロケランが2015年、技術主任に昇格するとの報道を認めた。エイドリアン・ニューイが第一線を退くのに伴っての人事だ。
新しくベッテルに付くのは、現在フォース・インディアでセルジオ・ペレスのレースエンジニアを務めているジャンピエロ・ランビアーゼだ。
「セブ(ベッテル)は、長いこと彼(ランビアーゼ)と立ち話をしたよ。ふたりは、すぐ打ち解けていた」と話すマルコだった。