ロータスの今季型車には動物の牙のような2本の先端を持つ独特なノーズが施されているが、どうやらこのノーズは今シーズンで見納めということになりそうだ。
昨年まで2年連続でチームランキングは4位となっていたロータスだが、今季はルノーエンジンの信頼性やパワー不足に苦しめられたこともあり、現在はランキングも8番手と低迷が続いている。だが、テクニカルディレクターのニック・チェスターは、今季の革新的なノーズは「かなりいい対策」であり、今シーズンは最後までそのノーズで戦い続けると主張している。
だが、今季多くのチームが導入した「アリクイ型」のノーズの見栄えがよくないとの批判を受けたことで、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は来年はレギュレーションを変更し、そうした形状のノーズを一掃することにしている。そして、ロータスでもそのレギュレーション変更によって同様に現在のノーズ形状を見直さなくてはならないことになる。
F1公式サイトから、ロータスでは来季も2つの先端を持つノーズ形状を継続するつもりかと尋ねられたチェスターは、次のように答えた。
「いや、ノーズの構造に関するルールが変われば、そうするのは非常に難しくなる」
「実際、従来の低いノーズを設計するほうがより簡単だし、そうすればクラッシュテストにも合格しやすくなる」
そう語ったチェスターは、従来型に近いノーズを今シーズン終盤のレースの金曜フリー走行で試すこともあるかもしれないと認めたものの、実際のレースでは現状のノーズを継続して使用していくとし、次のように付け加えた。
「(今季中にノーズを変更しても)実際のところそれほどの効果は得られないんだ。我々が行ってきた風洞テストによれば、そうすればダウンフォースを失うことになるとの分析結果が出ているからね」