先週末のF1第5戦スペインGPは、またしてもメルセデスAMG勢の1-2フィニッシュで終わった。今季ここまでメルセデスAMGが1-2体制でレースを終えられなかったのはルイス・ハミルトンがエンジントラブルでリタイアとなった開幕戦だけだ。
すでに、ドライバータイトルのゆくえはメルセデスAMGのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのいずれかに絞られていると考えている者も少なくない。そうなればF1のタイトル争いに向けた興味もややうすれてくることになるかもしれない。ただ、メルセデスAMGが現在の「チームオーダーは出さない」という主義を守り続ければ、少なくともこのふたりによる白熱した戦いが繰り広げられ、そこにわずかながらタイトル争いへの興味が保たれるかもしれない。
これについて、メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダは、先週末行われたF1スペインGP(第5戦)の決勝後に次のように語った。
「私の作戦は非常に単純だよ」
「我々は介入しないんだ。我々は最初から最後までドライバーたちに自由にレースをさせる。ここまではそれによって何も悪いことは起こっていないからね」
そう語ったラウダは次のように付け加えた。
「もしタイトル争いに加わる3人目のドライバーが出てこなければ、私は完全にリラックスしていられるよ」
ラウダが落ち着いていられるのは、現在好調ぶりを発揮しているハミルトンには敵がいないと考えているためでもあるようだ。ラウダは、たとえチームメートのロズベルグが同じクルマに乗っていようと、ハミルトンに打ち勝つことはできないだろうと考えている。
「今のルイスと同じクルマで彼を倒せるドライバーがいるとは思えないね。誰もあいつを負かすことはできないよ」
だが、メルセデスAMGのライバルたちは、メルセデスAMGがチームオーダーを出さないことによって、最終的に彼らが自分たちの首を絞めることにつながることを期待しているようだ。
レッドブルのモータースポーツ責任者であるヘルムート・マルコは、ドイツの『Bild(ビルト)』紙に次のように語っている。
「我々が唯一期待できることは、彼らの間に戦争が始まり、ドライバーがお互いのライバルにぶつかっていくことくらいだね」