レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーが、まだ今季のタイトルをあきらめてはいないと主張している。
だが、今季ここまでにメルセデスAMGが示している圧倒的な力を考えれば、4年連続F1チャンピオンチームのレッドブルや、かつてミハエル・シューマッハを擁して5連覇を達成したことのあるフェラーリといった力のあるチームでさえ、この差を縮めることは無理だろうと考える者も多い。
だが、ホーナーは、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に、「まだ15レースも残されている。これは短距離走ではなくてマラソンなんだよ」と語ると、次のように付け加えた。
「スペインではメルセデスAMGとの差を、はっきりと縮めはじめることができるのではないかと期待しているよ」
ホーナーは、2012年にやはり大きなルール変更が行われたときにも、それに対応することができたことを引き合いに出した。だが、2014のルール変更の規模はかつてないほどに大きいものであり、そしてその状況の中で現在メルセデスAMGが築いているアドバンテージもまた非常に大きいものだ。
「(エンジンメーカーの)ルノーは差を縮めようと必死に頑張っている」、とホーナーは続けた。
確かに、今季もレッドブルが製造したシャシーであるRB10は非常に優れたものであるとの評価は高く、唯一の問題がルノー製のパワーユニットにあることは誰もが知っているところだ。
『Blick(ブリック)』紙のロジャー・ブノワ記者は8日(木)に、レッドブルの内部関係者による「我々のクルマはメルセデスAMGよりもいいんだ。我々はただ50馬力ほど足りないだけだ」とのコメントを紹介している。
ホーナーもこれを認め、次のように続けた。
「我々のクルマが素晴らしいことは分かっている。エンジンの差が縮まってくれば、我々はまたトップ争いができるようになるだろう」
「エンジンサプライヤーの中では、メルセデスが最高の仕事をやり遂げたと思っている。それに続くのが多分、フェラーリ、ルノーの順だろう。だが、最終的にはどうなるか、様子を見てみよう」
もし単にエンジンサプライヤーを変えれば、レッドブルは再びトップに返り咲くことができるか、と尋ねられたホーナーは次のように答えている。
「もちろん、ルノーには競争力の高い製品を供給するようプレッシャーをかけている。だが、彼らにはそれをうまくやれるだけの人材がいるよ」