ダニエル・リカルド(レッドブル)は失格処分となってしまったものの、メルボルンで行われた今季のF1開幕戦オーストラリアGPにおいては、レッドブルがシーズン前に抱えていたトラブルはかなり改善されたように見えた。
これまで4年連続でF1タイトルを獲得してきた王者レッドブルは、苦戦を強いられているエンジンサプライヤーのルノーとともに、今季型車であるRB10を大きく改善してきていた。だが、チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、まだ目の前には険しい山がそびえていると語る。
16日(日)に行われた決勝でリカルドがメルセデスAMGのニコ・ロズベルグに次ぐ2番手でゴールした後、ホーナーはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対して次のように述べた。
「追いつくためには1周あたりあと1秒必要だ」
だが、そのホーナーも、レッドブルがついに暗闇から抜け出し、今シーズンの残り18レースを戦うための基盤づくりができたということは認めている。ホーナーは、イタリアの『La Stampa(ラ・スタンパ)』へ次のように語った。
「我々のシーズンはここオーストラリアで始まったよ。基本的に冬のテストは省いたようなものだからね」
4年連続F1チャンピオンのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)は、メルボルンでトラブルによるリタイアに終わった。レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、その責任がエンジンサプライヤーのルノーにあるとし、次のように語った。
「彼ら(ルノー)は、(2014年からの新ルールへの対応準備において)いくつかの問題を過小評価していた。それに、必要な時間についても正確に計算できていなかった」
マルコは、レッドブルがメルセデスAMGに追いつくためには、すべての問題が「夏」までには解決されることを期待していると語った。
しかし、ラウダは、レッドブルが問題を抱えているとはいえ、メルセデスAMGも安心はできないと語った。ラウダは、レッドブルのRB10がすでに「かなり速い」ことは明らかだとみている。
ラウダは、昨年、序盤でつまずいたように見えたレッドブルが、後半巻き返しを見せて2013年シーズンを圧倒的な力で制覇したことに言及しながら、ドイツのテレビ局『RTL』に次のように述べた。
「それゆえ、我々はクルマの開発を急いで進める必要がある。そうすれば、昨年起きたようなことが再び起こらないようにすることができる」
ラウダは、ルノーがいまだに新たなV6ターボに苦戦している状態であることに関しては、「ありがたいね」と語った。
メルセデスAMGとの闘いで苦戦を強いられているもうひとつのチームがフェラーリだ。フェルナンド・アロンソは開幕戦の決勝では5番手でのフィニッシュに終わっていた(リカルドの失格により、その後順位は4位に繰り上げられた)。
「もっと表彰台に近づきたかったけれどね」と『El Confidencial(エル・コンフィデンシアル)』に語ったアロンソは、さらにこう続けた。
「メルセデスのエンジンに関しては、もうほとんど別のカテゴリーみたいだったよ。僕はフォース・インディアの後ろにいたけれど、追い抜くことは不可能だった」
そう述べたアロンソだったが、最後は次のような言葉で締めくくっている。
「決勝の前に僕たちは、メルセデスAMGには後れをとっていると感じていたけれど、それほど離されてはいないよ」