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レッドブルに深刻な危機、初回テストで100km走れず

2014年02月04日(火)10:46 am

先週、今季初のF1公式シーズン前テストが行われたヘレスのパドックで、あるジョークが広まっていた。4年連続チャンピオンチームの2014年型車の車名レッドブルRB10には、暗号が含まれている。つまり、これを発音すると「レッドブル・アール・ビー・テン」となるのだが、これが「Red Bull Are Bea-ten(レッドブルは打ちのめされた)」と聞こえるというものだ。

このジョークは、ヘレステストにおいてレッドブルがほとんどまともに走行できないという悲惨な状況に追い込まれたことを受けて出てきたもの。事実、4日間のテストにおけるレッドブルの合計走行距離は、3日目から参加したマルシャにも及ばないものだった。

イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』は、今季最初のシーズン前テストにおけるチーム別走行距離表を掲載しているが、これを見ればレッドブルが今後に向けて不安な状態にあるのは一目瞭然(りょうぜん)だ。

それによれば、今回のテストで最も多くの走行距離を稼いだのはメルセデスAMGで1,368km。2番手はフェラーリで1,111km。3番手はマクラーレンの1,084kmだった。中堅チームのフォース・インディア、ザウバー、ウィリアムズも600~700km台の走行を達成している。

これに対し、ルノーエンジン勢のケータハムは336km、トロロッソは239kmに終わり、テスト3日目の午後から参加したフェラーリエンジン搭載のマルシャの132kmをはさんで、最下位のレッドブルは4日合計でわずかに92kmしか走行できていないという結果に終わった。

だが、フェラーリのフェルナンド・アロンソは、このレッドブルの危機的状況をほくそ笑みながら過ごしていたわけではなかったようだ。アロンソはスペイン人記者たちに対し、ヘレスで次のように語った。

「常に何らかの問題は発生するものさ。公になるものもあれば、あまり明らかとならないものもある。たくさん起こるときもあれば、少ないときもある」

「オーストラリア(開幕戦/3月16日決勝)に行って、そこで初めてポイントがつくんだ。これは最初のテストでしかないからね」

しかし、ウィリアムズのフェリペ・マッサは、もし自分がレッドブルのドライバーだったとしたら、「心配になっただろう」と認め、『Totalrace(トータルレース)』へ次のように述べている。

「少なくとも、今回彼らはいくつかの問題を抱えていて、昨年いくつかのサーキットでそうだったように、ほかのクルマよりも2秒速く走ることもできていないからね」

レッドブルの抱える問題が深刻であることも分かってきた。レッドブルにエンジンを供給しているルノーの副マネジングディレクターであるロブ・ホワイトが、その原因は「単純なものではなく」、まだ完全に突き止められていないことを認めたのだ。ホワイトは、メディア向けのリリースの中で次のように述べている。

「今回のトラブルの原因となったものは、単一のコンポーネントやシステムによるものではない」

「次の段階では、今回経験した問題の根本的な原因を特定し、解決策を講じ、我々の検証プロセスを強化することだ。それにより、バーレーンではより通常の形で自信を持ってテストに臨むことができるだろう」

ルノー陣営にとってもっと気がかりなことは、FIA(国際自動車連盟)が定めたパワーユニット仕様の開発凍結期限である2月末がすぐそこまで近づいてきているということだ。

だが、レッドブルやルノーはそれに間に合わせてくるだろうとアロンソは考えており、『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』へこう語った。

「もしこれ(ヘレスでのトラブル)がオーストラリアで起こったとしたら、致命的だっただろうね」

「でも、まだあと2か月あるし、レッドブルには僕たち(フェラーリ)、そしてメルセデスAMGが走った走行距離まで伸ばす時間も残されている」

「今年はこれまで以上に、それぞれのチームがどういう力を示すのかはレースを待たないと分からないと思うよ」

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