元F1ドライバーのヤン・マグヌッセンが、レーサー引退を示唆。F1にステップアップする息子ケビン・マグヌッセン(マクラーレン)をサポートするためだ。しかし、今すぐに自身のレース人生を終えるつもりはないようだ。
1990年代終盤、当時所属していたスチュワートGPのオーナー、ジャッキー・スチュワートにチームを解雇されたマグヌッセンは現役を続行、40歳になった今もル・マン24時間レースをはじめとするスポーツカーレースの常連だ。
ところが今年、21歳の息子ケビンが名門マクラーレンからF1に進出する。1995年、同チームからF1デビューのチャンスをつかみながらすっかりレースの方向性を見失ってしまった、ヤンにとっては因縁の存在だ。
ケビンに自分と同じ過ちを犯してほしくないと、ヤンは、イギリス『Guardian(ガーディアン)』紙に次のように語る。
「もう一度チャンスがあったら、と思ってしまう私がいる。でも、そんな過去があればこそ、こうして息子をF1に送ることができたんだ」
「実際のところ、私とケビンに類似点はまったくない」と語るヤン。「ケビンはとてつもない努力家で、私など足元に及ばないほど計画的な人間だ」
そんなヤンだが、残念ながら3月のF1開幕戦オーストラリアGPで息子の晴れ姿を見ることはできない。同じ週末、別のレースに出場しなければならないからだ。
「それでも、カレンダーの約半分となる8戦か9戦ぐらいは足を運ぶつもりだ」とヤンは語る。
「子どもがF1に上がった今、自分のキャリアはあとどれぐらい続くんだろうと真剣に考えてしまう。レース活動に集中するか、あるいはケビンと共に歩むのか、気持ちを決めなければいけない」
「とはいっても、ケビンのマネジャーになるのはごめんだ。彼の父親でいるだけで十分だよ」
「ケビンはこれまでヤン・マグヌッセンの息子としてやってきた。それが突然、私のほうがケビン・マグヌッセンの父親と呼ばれるようになっちゃったよ」といって笑うヤンだった。