かつてメルセデス・ベンツでモータースポーツ部門責任者だったノルベルト・ハウグが、古巣には耳が痛い発言を行った。
レッドブルに大差こそつけられたが、F1コンストラクターズ世界選手権で2位を手にした2013年のメルセデスAMG。来季は、技術責任者パディ・ロウ、モータースポーツ責任者トト・ヴォルフ、会長ニキ・ラウダの新三大巨頭体制で期待値も高い。
「チームも僕も、目標はF1世界選手権の制覇だ。もちろん両タイトルだよ」と2013年F1最終戦ブラジルGPが終わってイギリスのテレビ局『Sky(スカイ)』に語ったのは、同チームのドライバー、ルイス・ハミルトンだ。
「王座に手が届かなければ、ガッカリするのが当たり前だ。でも、ネガティブなエネルギーなんか、おくびにも出してたまるかい」
ところが、外からメルセデスAMGに負のオーラを送る者がいた。それがハウグだ。
「セバスチャン・ベッテル(レッドブル)時代はまだ終わらないと思う」と、ドイツのラジオ局『Sport1(シュポルト1)』に語るハウグ。彼は2013年シーズン開幕前にヴォルフへチームを託し、メルセデスを去っている。
「彼(ベッテル)は現代のグランプリ・マシンを熟知している。今まであれほどの独占状態は見たことがないよ。あのミハエル・シューマッハだってあれほどのひとり勝ちはなかった」
「それに、たったひと冬でレッドブルが競争力を落とすなんて考えにくい」
「たとえ25年ぶりのマシン大変更でもね」
そんなメルセデスAMGでも、2014年タイトル争いの一角ぐらいは形成できるというのがハウグの考えだ。
「ニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンのコンビはチームにとって強力な武器だ」
「それに、メルセデスは5年前から次世代エンジンを手がけているんだ」
「メルセデスは選手権争いができるものと信じているよ」と、最後にはエールを送るハウグだった。