東京大学生産技術研究所 (以下、東大生研)と、ボーイング、三菱重工業、川崎重工業、富士重工業(以下、設立企業)による製造技術に関する共同研究開発プロジェクトへ、新たに5社の加入が決定したことが発表された。
このプロジェクトは経済産業省が主管となって推進されているもので、産学官連携による製造技術に関する共同研究開発を行うことを目指すもの。設立企業が航空機製造に携わっていることから、まずは2012年より航空機の機体製造技術の共同研究から着手しており、チタンの切削技術等ですでに一定の成果も上がっている。
今回、この共同プロジェクトに新たにDMG森精機、オーエスジー、住友電工ハードメタル、三菱マテリアル、東レの5社が加わることになったもので、これにより、今後航空宇宙業界に限らず、さまざまな産業を対象にした革新的製造技術を開発し、世界をリードすることを目標とする。
これまで、「ものづくり」と呼ばれる製造技術は、経験に即したスキルが重視される分野だったが、この共同プロジェクトでは、第一段階として製造技術を製造科学に昇華し、理論展開することで広い分野に適用出来る理論体系を構築。そして、次段階では製造科学を製造技術に戻すことでそれを実用化し、共通する多くの課題を迅速に解決することを目指している。
2013年4月にはCMI (コンソーシアム・フォー・マニュファクチャリング・イノベーション)と名付けられたコンソーシアムが正式に発足。教授4名、准教授2名、助教授・特任研究員6名、その他支援職員を含めた総勢19名による「革新的ものづくりシステム連携研究センター」が東大生研内に立ち上げられたほか、これに加え外部3大学、1研究機関の協力も得ながら研究を本格化させている。
共同研究開発プロジェクトでは、今回新規に5社が加入したことで、研究の幅をより広く、より深く掘り下げることが可能となり、多岐にわたる革新的製造技術の実現に向けた大きな前進となるとしている。
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