F1第16戦インドGPを勝利し、4連覇を達成したセバスチャン・ベッテル(レッドブル)は、エナジードリンクであるレッドブルのブランドが刻まれたクルマで成功を収めるために生まれてきたドライバーだろう。モータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコは、以前のことを振り返りながら、ドイツのテレビ局『Sky(スカイ)』に次のように述べた。
「最初は、チームの中にもベッテルを乗せるのは自分たちにとって正しいことではないと考えた者が大勢いたものだ」
これを受けて、ベッテルは次のように付け加えた。
「彼(マルコ)が言ったんだ。こいつにチャンスを与えてみよう、ってね。それがうまくいってうれしいよ」
ベッテルは、2014年と2015年もレッドブルとの契約下にある。そして、唯一ベッテルと同じ4回のF1タイトル獲得記録を持つアラン・プロストは、ベッテルは来シーズンにもファン・マヌエル・ファンジオの記録に並ぶかもしれないとしている。
『RMC』に対し、「ルールは変わろうとしている」と口を開いたプロストは、次のように続けた。
「だから、もっともそれによくかかわっているドライバーが、間違いなく有利になるだろう」
「そして、エイドリアン・ニューイ(レッドブル/最高技術責任者)のような素晴らしいエンジニアは、もっともうまくこれらの変更に対応することができる。レッドブルとベッテルがかなり長い間絶対的な強さを見せる可能性はかなり高いよ」
だが、ベッテルがレッドブルでの成功をしまい込み、ほかのチームでの新たなチャレンジをしてみたいとの誘惑にかられるのは間違いないだろう。
プロストは、『Der Spiegel(シュピーゲル)』に次のように続けた。
「彼もレッドブルに永遠にとどまるわけにはいかない」
「一方で、ベッテルがレッドブルで最高のクルマを手に入れ続けることができるとすれば、ただファンを満足させるためだけにチームを変わろうとするだろうか? 彼がチームを変わるとすれば、それは自分自身のために新たなことへの挑戦をしてみたいと思ったときだけだ」