トロロッソの代表フランツ・トストは、ジャン-エリック・ベルニュにとって必ずしも2014年が最後のチャンスではないことを表明した。
今季開幕時、マーク・ウェバー(レッドブル)F1引退のうわさが伝わる中、ベルニュあるいはダニエル・リカルドのいずれかがレッドブルの2014年シートを獲得するといわれていた。そうなれば、もう一方がドライバー育成プログラムから外されるのが自然な流れだ。
結局、セバスチャン・ベッテルの新チームメートはリカルドに決まり、ベルニュはとりあえずトロロッソに残留の運びとなった。
「彼(ベルニュ)にとっては、1から10まで悪いことばかりじゃない。だってF1を続けられるんだから」とF1公式サイトに語るのは、リカルドだ。
「彼はまだ若い。僕より1歳下だよ。将来、トップチームのシートをゲットするまで、時間はまだある」
最近では2011年にセバスチャン・ブエミとハイメ・アルグエルスアリのふたりが一度にトロロッソのシートを失っているが、トストは、ベルニュが同じ運命をたどることはないといっている。
では、2014年がベルニュにとって最後のチャンスだろうか? トストはロシア『f1news.ru』に次のように語る。「いや、私はそんなことをいった覚えはない」
「ジャン-エリックは強いドライバーだ。来季の好パフォーマンスを期待している。そうなってくれれば、(F1残留には)十分だ」
「我々の仕事は戦闘力のあるマシンを与えることだ。彼はとても優秀なドライバーだからね」と、念を押すトスト。
だが、いくらベルニュが若かろうが、2014年にリカルドの代わりに加入するのは10代のロシア人ルーキー、ダニール・クビアトだ。ベルニュにはリーダーシップが求められる。
「その通りだ」と、トスト。「ジャン-エリックは今や経験あるドライバーだ。来年でグランプリ3年目なのだから、(より多くの)責任を背負うことになる」
ベルニュは、やはりリカルドではなく自身をレッドブルに昇格させるんだったとチーム首脳に後悔させようと必死だ。リカルドだってレッドブルとの契約は1年しかもらえていない。いくら将来の心配をしても足りないだろう。
「ちょっと待ってよ。これからホラー映画を見に行くわけじゃないんだから」といってニヤリとするリカルド。
「自分がどれほどF1ドライバーとして優秀か見てみたいのが、僕の正直な気持ちだ。もし彼(ベッテル)が僕をたたきのめしてくれたら、それはしょうがない。しかし、仮にそうなったとしても、僕なりにベストを尽くしたんだって思いたいね」