レッドブルのデザイナーであるエイドリアン・ニューイが2014年型の新車について語った。何と「醜い」のだという。
「新しいレッドブルはひどい形をしている。残念ながらね」と、ニューイはドイツ『SID通信』に口を開く。
F1でもっとも優秀と言われるF1マシン設計者のニューイだが、今週末の日本GPをパスし、大きく変わる2014年規則への対応に追われている。
本人によると、一週間で新車RB10の開発に費やすのは「4日か5日」というから、ほぼ、かかりきりの状態だ。
では、2014年型車はなぜ「醜い」のだろうか。ニューイはその原因に空力の新規則を上げる。ルールに沿ってデザインすれば、フロント部分は「かぎ鼻」のようにしかならないのだという。
しかし、F1チームの技術陣にとってもっと頭が痛いのは、ニューイをして「かつてないほど複雑」といわしめる新しいエンジン規則だ。
ルノー親善大使のアラン・プロストも異口同音に、こう語る。「F1には3社のエンジンメーカーがかかわっているが、その誰もあまり楽観的な姿勢を見せていないんだ」
「率直に言って、いま現在もっとも彼らの頭を悩ませているのは信頼性さ」
一方でメルセデスAMG役員のトト・ヴォルフは楽しみでしょうがないといった面持ちだ。
「一ヶ月前マラネロ(フェラーリ本拠地)に行ったとき、彼らのエンジン部門を見て思ったんだ。"ドイツの技術の粋 vs. イタリアの柔軟な発想とフランスの自由競争主義"、そんな戦いだなってね」
だが、フェリペ・マッサ(フェラーリ)がもっとも懸念するのは、F1というスポーツがショー化してしまうことだ。
「そりゃそうだろう。燃料を節約しながらの走りなんて、じれったくてしょうがないじゃないか」と、鈴鹿で語るマッサ。
「サーキットを訪れる観客やテレビ観戦の視聴者が見ておもしろいものにしたいよね。それなら僕らドライバーもいいレースができると思う」