NEXT...F1開催スケジュール

ジル・ド・フェランがフォーミュラEのアンバサダーに就任

2013年08月13日(火)15:52 pm

化石燃料を一切使わず、完全に電気エネルギーのみで走行するフォーミュラカーによる選手権であるフォーミュラEシリーズが2014年の9月から開催されることになっているが、その公認アンバサダーに、かつてCARTシリーズで2度チャンピオンに輝き、有名なインディ500でも優勝経験のあるブラジル人ドライバーのジル・ド・フェランが就任することが12日(月)に発表された。

ド・フェランは、来年からスタートするフォーミュラEでは正式なアドバイザーを務めるとともに、インディカー・シリーズの有力チームであるアンドレッティ・オートスポーツが2台体制での参戦を発表している北アメリカ地区においては公式広報担当者も務めることになっており、シリーズのさらなる拡大に努めることになる。

現在45歳となるド・フェランは、これまで20年以上にわたって世界トップレベルのモータースポーツ界で活躍してきている。現在のインディカーの前身のひとつであるCARTシリーズでは2000年と2001年に連続でチャンピオンに輝き、インディカーに移籍後の2003年にはインディ500でも栄冠を手にしている。

レースにおける高い見識とエンジニアリングに関する技術により、「教授」というニックネームが与えられていたド・フェランだが、CARTの2000年シーズン最終戦の舞台となったカリフォルニア・スピードウェイの予選で記録した時速241.426マイル(388.537キロメートル)というスピード記録は、いまだ世界のクローズドサーキットにおける最速記録として残っている。

2003年シーズン限りでインディカーを引退したド・フェランだが、その後2005年から2007年にかけてはF1のBARホンダのスポーティングディレクターを務めるとともに、アメリカの放送局『ABC』でインディカーの解説者としても活躍。その後2008年には自身のチームであるド・フェラン・モータースポーツを立ち上げ、アメリカン・ル・マン・シリーズにチーム代表兼ドライバーとして参戦。アキュラARX2aを自らドライブし、その開発に寄与したという経歴を有している。

また同チームは2010年にド・フェラン・ドラゴン・レーシングとして1シーズンのみインディカーにエントリーしたが、そのときド・フェランは当時のインディカー主催団体であるIRLが同シリーズの改善を目的として運営していたICONIC委員会の重要なメンバーともなっており、その後のインディカー・シリーズの改善に向けて大きな役割を果たしている。最近では、『NBCスポーツ』でインディカーの解説を務めるとともに、モータースポーツ界、自動車産業界にまたがるコンサルタントとして活躍していた。

ド・フェランは、フォーミュラEのアンバサダー就任発表にあたり、次のように述べた。

「電気自動車は、世界の移動手段においてその重要性が高まりつつあることは疑いようのないことだ。そして、電気自動車によるレースは、関連するテクノロジーの開発を速め、非常に刺激的な形でその可能性を示すための最高の舞台となるだろう。FIAフォーミュラE選手権は世界の電気自動車レースをリードするものだし、この刺激的かつ革新的な試みに私の専門知識を生かすことができることは光栄なことであり、ワクワクしている」

また、同シリーズを主催するフォーミュラEホールディングスの最高経営責任者であるアレハンドロ・アガグも次のように語った。

「ジル・ド・フェランをFIAフォーミュラE選手権に迎えることができ、喜んでいる。我々のシリーズに対する彼の情熱とその継続的な運営に向けた促進活動は、自動車レースにおける彼の国際的な知名度とともに、選手権を成長発展させるための非常に大きな力となるだろう。インディ500で勝ったことは言うまでもなく、インディカー(CART)で2年連続タイトルを獲得した実績を持つ彼の経験は、ファンにとって大きな見せ場を提供しつつ、トップレベルのドライバーたちをも魅了するようなシリーズとして手直ししてゆくことを助けてくれることになる」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック