トロロッソのジャン-エリック・ベルニュが、レッドブルの次期ドライバー候補からはずされたことで、最初は「動揺」したと認めている。
レッドブルでは、今季限りでF1を引退し、来季から世界耐久選手権(WEC)へ転向することになっているマーク・ウェバー(レッドブル)のシートがあくことになる。だが、7月中旬にシルバーストンで行われたF1テストにはトロロッソからダニエル・リカルドのみが指名され、その時点でベルニュがレッドブルの次期ドライバー候補から外れたことは明らかだった。
そのベルニュは、母国フランスの『Auto Plus(オト・プリュ)』誌に次のように語った。
「選ばれたのが僕じゃなく彼だったことで少しばかり動揺したけど、それは普通の反応だよね」
「でも、そのときレッドブルの首脳陣が僕に明確に説明してくれたんだ」
「ダニエルはF1で僕よりも経験がある。だから、それは論理的な手順だよ」と語ったベルニュはさらに続けた。
「レッドブルの首脳陣たちと長時間にわたって話し合いをしたし、いまでは僕たちの間ではすべてがとても明確になっている」
「彼らが僕のことをどう思っているかを知るために、ニュース記事を読む必要はないんだ」
「とはいうものの、メディアにはいろいろ書かれたし、その結果として、否定的なものばかりだよ。中にはクリスチャン・ホーナー(レッドブル/チーム代表)が、それは誤解されていると言ったものも含めてね」
だが、レッドブルの育成プログラムは非常に厳しいものとして知られており、数年支援を受けた後、お払い箱にされるドライバーも少なくない。
しかし、トロロッソのオーナーである世界的エナジー飲料メーカーであるレッドブルは、最低でもベルニュが来シーズンもトロロッソに残留するのは間違いないとしている。
ベルニュもその件に関して次のように続けた。
「2014年もトロロッソで続けられるのはすごくうれしいよ。新しい技術規則や、新たに採用されるルノーエンジンに取り組むのは面白くなりそうだ」
「一方で、マークのシートを狙おうなんてこれっぽっちも思っていないと言えばうそになるだろうね。まだチャンスはあると思っているし、そのために頑張るよ」
F1関係者の間ではすでにベルニュは(レッドブルの)候補から外れたと考えられているようだが、ベルニュ自身はそれを真に受ける必要はないと次のように続けた。
「F1でひとつ学んだことがあるとすれば、ある日においては真実だったことも、次の日にはどうなるか分からないってことだ」
「いい結果が続くか、あるいは悪い結果が続くかによって、状況はどんな方向へも簡単に変わってしまうんだ」
「僕は、自分がやらなくてはならないことは、はっきり分かっているよ」、と23歳のベルニュは締めくくっている。