これまでF1でのキャリアをずっとシルバーストンに本拠をかまえる現在のチームとともに過ごし、今週末のF1ハンガリーGPでF1通算100戦目を迎えるエイドリアン・スーティルだが、今後もずっとフォース・インディアに残留するかどうかは分からないと語った。
スーティルは2007年にスパイカーからF1にデビュー。その後スパイカーはインド人実業家のビジェイ・マリヤらに買収され、フォース・インディアと名称を変更。スーティルは2012年に自らが起こした傷害事件のために1年間チームを離れたものの、今年再びチームに返り咲き、100レースをすべて同一チームで戦ってきたことになる。
だが、スーティルは2014年シーズンにその関係が終わりを迎える可能性を否定していない。スーティルはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「まだそれについて考えるのはちょっと早いよ」
「そのときが来れば、まずはビジェイ(マリヤ/チーム代表)に話をするよ」
フォース・インディアは今季、現時点ではマクラーレンよりもチーム別ランキングで上位につけるなど、堅実な戦いぶりを示している。だが、それにもかかわらず、スーティルはいまだつかんだことのない表彰台を目指して、さらに上位チームへと移籍するチャンスを探っている。
スーティルは次のように続けた。
「僕たち(フォース・インディア)とトップチームたちとの違いは、もし僕たちが表彰台に上るチャンスをつかもうとすれば、すべてが100パーセントうまく組み合わなければならないんだ」
「でも、大きなチームは、たとえミスを犯したとしても、いい成績を残すことができる」
スーティルのこうしたコメントは、今以上の結果を求めるならばチームを変わるしかないと考えているということを明確に示すものだ。
フォース・インディアがF1でトップチームになることを想像できるか、と問われたスーティルは『SID通信』に次のように答えた。
「分からないな。でも、現時点では僕たちよりもいいチームはそれほど多くはないね」
「(チーム移籍の)決断をするときは慎重に検討しないといけない」
「もし、どこかの時点で、もうこれ以上このチームから得られるものがないと思えたとしたら、そのときは(チームを)替えるよ。でも現時点では多くの可能性があると思っている」
「僕は勝ちたいんだ。そのときのクルマが赤だろうが、オレンジだろうが、銀色だろうが、それは二の次さ」、とスーティルは続けた。
しかし、スーティルは今後さらに100レースを戦うとすれば、あとから振り返ったときには複数のチームで戦ったことがあるほうが好ましいと考えていると認め、次のように締めくくった。
「いつか、200レースを振り返ることができるとすれば、そのときには違うチームのことを話すことができるといいだろうね」