財政危機に苦しんでいたザウバーだが、15日(月)に、チームにとっては救世主とも言えるロシアの企業グループと新たなスポンサー契約を締結したことを発表。そして、どうやらこのスポンサーと密接なつながりを持つロシア人ドライバーが来季のザウバーのシートを獲得することになりそうだ。
財政上の問題のため、近いうちに活動停止に追い込まれるのではないかとの報道までされていたザウバーだが、ロシアのウラジミール・プーチン大統領とも非常に近い関係にあるというロシアの企業グループとの提携をいいタイミングで発表した。
ザウバーが発表した声明には、弱冠17歳のロシア人ドライバー、セルゲイ・シロトキンを「2014年にザウバーのレーシングドライバー」とするために育成することも、その契約の一部であるとされている。
現在、フォーミュラ・ルノー3.5シリーズに参戦中のシロトキンが、2013年シーズン終盤にはザウバーからF1のフリー走行に出走することになるだろうとの報道もすでに流れていた。
これまでF1関係者の間ではほとんど知られていなかったシロトキンだが、今後F1における最年少ドライバー記録を更新することになるかもしれない。ちなみに、これまでのF1最年少ドライバー記録は、2008年のハンガリーGPにトロロッソからデビューしたハイメ・アルグエルスアリの19歳と125日だ。
ザウバーのチーム代表であるモニシャ・カルテンボーンは、ドイツの『motorsport-total.com』に対して、次のように述べている。
「わたしたちは彼をF1に昇格させるために、出来ることはすべてやるつもりです。そして、彼は来年私たちのドライバーになるでしょう」
イギリスの『Telegraph(テレグラフ)』紙は、シロトキンは、今回新たにザウバーのスポンサーとなった企業グループの1社である『ナショナル・インスティチュート・オブ・アビエーション・テクノロジーズ』の責任者であるオレグ・シロトキンの息子だと報じている。
カルテンボーンによれば、チームが売却されたわけではなく、ザウバーにはシロトキンの父親によって率いられる「ロシアの最先端をゆく科学者と技術者の集団である同社の先進的なノウハウによって利益がもたらされることになる」という。
『Telegraph(テレグラフ)』のトム・キャリー記者は、シロトキンが今週17日(水)からシルバーストンで行われる若手ドライバーテストに姿を見せることはないものの、「来年ソチで初開催されるF1ロシアGPまでには彼をレースドライバーにすることが目標だ」と書いた。