ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が古巣マクラーレンを離れてからすでに半年が過ぎようとしているが、両者の傷が癒やされるにはまだもっと時間がかかることは間違いないようだ。
マクラーレンで2008年にF1チャンピオンに輝いたハミルトンだが、少年時代から育成してくれていたマクラーレンを2012年シーズン限りで離脱。そして、それはマクラーレンの最高権威であるロン・デニス(現マクラーレン・グループ会長)との不和が原因だったとのうわさが渦巻いた。
すでにマクラーレンのチーム代表からは外れているものの、デニスが今週、実名はふせながらもかつてマクラーレンに在籍したドライバーについて、集中力を失っていると非難。このことで、そのうわさが再燃することとなった。
デニスは次のように語った。
「何が目的なのか見失っている者がいる」
「自分が何をやっているか見えなくなれば、F1チャンピオンになるために必要なことも見えなくなってしまう」
一方、28歳となったハミルトンは、マクラーレンを去ろうと決めた理由について、マクラーレンでは再びF1タイトルを獲得するためのチャンスを「みすみす逃している」と感じたためだった、と次のように語った。
「1度タイトルをとっただけでは、今ではあまり価値がない。なぜならタイトルをとったことがあるドライバーはたくさんいるからね」
「2回か3回、あるいは4回タイトルをとった者が特別だとみなされるんだ」
「F1に来て、最初の年にもう少しでタイトルに手が届くところだったし、その次の年にタイトルがとれた。でもそれ以来、本当に競争力のあるクルマを手にすることはできなかった」
「クルマによって大きな違いが出てしまう。だから、脂の乗り切った年をただムダに過ごすことになるんだ」とハミルトンは締めくくった。