F1マレーシアGP決勝で、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)がチームの指示を無視し、トップを走行していたチームメートのマーク・ウェバーを抜いて優勝。これにウェバーやチーム関係者は激怒し、レッドブル内に亀裂が走っている。
今回の出来事の結果として、レッドブルのドライバーの関係が完全に悪化してしまったのは間違いない。ウェバーの父アランもそれを認め、「(ベッテルが)また尊敬と信頼を勝ち得るためには、しばらく時間がかかると思うね」と語っている。
元F1ドライバーであり、現在は解説者を務めるマーティン・ブランドルはそのことについて「大問題だ」と語った。なぜなら、2人のチームメート間に「信頼関係」がなければ、F1チームが彼らをうまく管理することなどできないからだ。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコもこれを認め、「別にセブ(ベッテルの愛称)とマークが休日も一緒に過ごす必要などない。だが、一緒に建設的な仕事ができる環境は必要だ」と述べた。
さらに、元ルノーF1チームでチーム責任者を務めていたフラビオ・ブリアトーレは、レッドブルのやり方に問題があると指摘している。
「許されないことだ」、とイタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に語ったブリアトーレは、次のように続けた。
「レッドブルで本当に一番偉いのは誰だか分かっただろう。ベッテルさ」
また、かつてマクラーレンで活躍した元F1ドライバーのジョン・ワトソンは、レッドブルはベッテルに対して1レースの出場禁止処分を科すべきだ、と『BBC』ラジオに次のように述べた。
「もしほかのチームのほかのドライバーが同じようにチームの命令に従わなかったとしたら、彼らは出場停止か、もしくはクビにだってされていただろう」
「もしクリスチャン・ホーナー(レッドブルチーム代表)が、自分の権威を回復することがなければ、彼のチーム内での地位は、本来そうあるべきものではないということだ」
F1最高権威者であるバーニー・エクレストンですら、レッドブルが大きな問題を抱えていることを認め、『Telegraph(テレグラフ)』に次のように語っている。
「多分、今後彼(ベッテル)がマークに助けてもらいたいと思うような局面も出てくるだろう。だが、(今は)マークが素直にそうするとは思えないね」