ロータスのキミ・ライコネンは、2013年F1からのDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)に関するルール変更を歓迎している。
2011年シーズンに初めて導入されたDRSシステムだが、もともとはリアウイングの角度を変えることで一時的に最高速度を上げ、レース中の追い抜きを増加させようと考案されたものだ。しかし、2012年シーズンまで、決勝では特定の区間において前車とのタイム差が1秒以内になった場合のみ利用が許されていた反面、金曜フリー走行や、予選においてはどこでも自由にDRSを使うことが許されていた。
これは、F1を統括するFIA(国際自動車連盟)が、利用範囲を限定することでDRSの効果を最小限にとどめることになるのを懸念したことにより、そうした運用がなされていたものだ。しかし、2013年シーズンはこのルールが変更され、金曜フリー走行や予選でも、決勝と同じ特定の区間でしかDRSの使用が認められなくなる。
これについて、ライコネンは「賢明な変更だね」と語り、次のように続けた。
「みんな、常に少しでも有利になるようにと、DRSをどんどん早め早めに使おうとする方向になってきていたからね」
「そのことで大きな事故になりそうなこともあった。ドライバーたちはこの変更を望んでいたよ」
さらに、ライコネンは『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』紙に対し、DRSの制限はほかの理由からも歓迎だとして、次のように続けている。
「それによってクルマによる差が小さくなるんじゃないかな。例えばレッドブルのクルマはコーナーによってはDRSを開いたままで駆け抜けることができていたからね。ほかのクルマはそんなことはできなかった」
その一方で、ライコネンは、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)のようなトップドライバーであれば、たとえチームが変わっても、そのチームのクルマのパフォーマンスを改善させることができるという意見を一蹴している。
「もしそれが本当なら、もうエンジニアなんていらなくなるよね。そんなのナンセンスだよ」
「もちろん、僕たちはドライバーとしての意見も言うし、エンジニアもそれに耳を傾ける。それによってエンジニアから何かいい考えが浮かんで、それがうまく機能するのかしないのかを確かめようとするものさ」
「でも、エンジニアがドライバーにクルマの作り方を尋ねたりなんてしないよ」