レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、「マクラーレンとフェラーリが、レッドブルに対抗するために、チームのエースドライバー同士による“不自然な同盟関係”に加わった」と述べている。
昨年末、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が2年連続でタイトルを獲得した後に、イタリア紙『La Stampa(ラ・スタンパ)』は「ルイス・ハミルトン(マクラーレン)とフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が“不自然な同盟関係”とも見受けられる新たな友情を築いた」と報じた。
2007年にマクラーレンでチームメート同士だった際、このふたりが激しく衝突し、犬猿の仲とされていたのはあまりにも有名な話である。しかし、レッドブルのベッテルが圧倒的な強さを発揮し始めて以来、フェラーリのアロンソとマクラーレンのハミルトンは「友人」となった。インタビューではいつも互いを称賛し、パルクフェルメ(クルマを停車させる場所)では健闘をたたえ合い抱擁を交わすシーンをひん繁に目にするようになった。
マルコによれば、ふたりの友情は「ひとり勝ち状態のベッテルを独壇場から引きずり下ろすためのもの」だと言う。
ドイルの『Frankfurter Allgemeine Zeitung(フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング)』紙に、「フェラーリとマクラーレンが2012年の終盤にかけて“心理戦”を仕掛けてくると思うか?」と尋ねられたマルコは、「もちろんそう思う」と認め、それが「とてもし烈なものになるだろう」と予想する。
さらに、「何十年も敵同士だったマクラーレンとフェラーリが急に友好関係になったことは、興味深い」と語った。