ロメ・グロジャン(ロータス)は、チームメートで、現在チャンピオン争いを展開しているキミ・ライコネンに対して道を譲ることがあるかもしれないと明かした。
第12戦ベルギーGPでスタート直後の多重クラッシュの原因を作り出したとして、1レース出場停止の罰則がグロジャンには科せられていた。そのため、グロジャンは前戦イタリアGPのレースに参加できなかったが、今週末のシンガポールGP(23日決勝)から再びレースに復帰することができる。
今シーズンの13戦が終了した現時点で、ライコネンは141ポイントを獲得し、ドライバーズランキング首位のフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)と38ポイント差の3位につけており、タイトル争いのダークホースと目されている。その一方で当のグロジャンが獲得したポイントは、ライコネンの約半分の76ポイントでランキング8位に甘んじている状態だ。
「今シーズンの残りをサポート役に徹するつもりはないよ」とグロジャンは述べた。
「もちろん、チームには最高の結果を手にしてもらいたい。それに僕とキミとのポイント差を考えると、僕自身の成績ばかり考えるのはばからしいだろうね」
グロジャンにとってのシーズン中盤戦はとても力強い内容だった。何度か表彰台にも立ち、第8戦ヨーロッパGPでは勝利をかけての戦いも演じるほどだった。しかし、その勢いはベルギーGPでそがれてしまった。
しかし、ロータスのチーム代表であるエリック・ブーリエによると、イタリアGP出場停止がグロジャンに学習と反省の時間を与えたとのことだ。
「彼は間違いなくあの教訓から学習したよ」とブーリエは語り、さらに次のように続けた。
「ある意味、あれ(出場停止処分)は彼に役立つだろう」
「あの件(ベルギーGPでの多重クラッシュ)について、われわれはたくさん話し合った。そして、見方によっては、間違いなく彼にとってはいいことだった」
「一連の問題に関して話し合い、修正することによって彼は自分自身に対しての自信をさらに深めることができただろうから、彼はさらに良くなるだろう」
グロジャンは出場停止ではあったものの、イタリアGPでのドライバーズ・ブリーフィングには参加していた。その際、アロンソはベルギーGPの多重クラッシュに巻き込まれたにも関わらずあたたかいあいさつをしてくれたが、同じく巻き込まれたルイス・ハミルトン(マクラーレン)には無視されたとグロジャンは『L’Equipe(レキップ)』紙に語っている。