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トヨタ「アウディを打ち負かすのは非常に困難だった」

2012年09月16日(日)12:51 pm

ブラジルのインテルラゴス・サーキットで15日(土)に開催されたWEC(世界耐久選手権)の第5戦サンパウロ6時間において、同シリーズでの初優勝を果たしたトヨタの首脳陣が、初優勝について語った。

WEC第5戦サンパウロ6時間 写真ギャラリー

TS030ハイブリッドで参戦するトヨタは、予選でポールポジションを獲得すると、勢いそのままに優勝。同シリーズでの初優勝を果たした。トヨタにとって、1999年のWRC(世界ラリー選手権)チャイナラリー以来13年ぶりのFIA公認世界選手権での勝利であり、耐久レースとしては1992年にTS010で勝利をあげたモンツァのレース以来、実に20年ぶりの勝利だった。

また、トヨタのトヨタハイブリッドシステム・レーシング(THS-R)にとっても大きな一歩になった。レース用ハイブリッドシステムの開発は、現在トヨタ・レーシングでハイブリッドプロジェクトのリーダーを務める村田久武氏の指揮で2006年に開始された。

レース用ハイブリッドシステム開発プロジェクトは、2007年7月にスープラHV-Rで十勝24時間レースを制覇。THS-Rに採用されているスーパーキャパシタ技術はその後も開発が続けられ、重量の軽減、出力の向上を主眼にTS030ハイブリッドに導入された。

木下美明(チーム代表)
「今日はトヨタ・レーシングにとって最高の日になった。表彰台の中央に立つことはわれわれの夢だったが、参戦3戦目にして早くもその夢がかなった。今日のレースは6時間レースというより、今年の1月に始まり9月までかかった長期戦であり、9ヶ月かけてやっと表彰台の真ん中に立つことができた。このプロジェクトに携わった全員に感謝したい。これまでこなしてきたハードワークが今日の勝利で報われた」

「われわれがこれまで10年以上にわたって偉大な仕事を成し遂げて来たアウディを打ち負かすのは非常に困難な仕事だった。それゆえ、今日の勝利はトヨタ・レーシングにとって素晴らしい成績と言うだけでなく、FIAの新しい世界耐久選手権(WEC)が非常にエキサイティングなレースであることを証明出来た。次のレースでアウディが巻き返しを図ってくることは承知している。われわれには彼らとフェアで素晴らしい接戦を繰り広げる準備ができている」

村田久武(ハイブリッドプロジェクトリーダー)
「レース用ハイブリッドシステムの開発は2006年に始まったが、当時は全く不可能なことのように思えた。しかし、モータースポーツ部の仲間、トヨタ自動車本社のハイブリッド部門、TMG、そしてオレカの協力で、夢をかなえることができた」

「今日、ハイブリッドシステムは最高のパフォーマンスを示し、300馬力のブーストがラップタイムをどれだけ向上させるか証明して見せた。油圧ブレーキと回生システムは完ぺきな協調を見せた。われわれはその技術を完成させることができたことを誇りに思っている。アウディのようなタフで経験豊かなライバルをハイブリッドシステムのような先進技術で打ち負かすことは、開発に携わった全員にとってとても名誉なことだ」

パスカル・バセロン(テクニカルディレクター)
「今日ここでわれわれが成し遂げたことは本当に素晴らしいことだ。トヨタ車が最初にゴールラインを越えるのを見るのは非常にエモーショナルな瞬間だった。ここインテルラゴス・サーキットに来ているスタッフ、ケルンのTMGにいるスタッフ、それに日本の仲間達の力があって初めて成し遂げられた。彼らの働きこそがこの勝利に値する」

「レースは計画通り進んだ。シルバーストーンと比べて燃費を向上できたおかげで、比較的簡単にペースを速められた。最後にクイックピットストップが必要なことも分かっていたので、それまでギャップを広げるために全力で飛ばした。アレックス・ブルツとニコラス・ラピエールは最高のドライビングをしてくれた。速いだけでなく、見事に混雑を切り抜ける走りを見せてくれた。7回のピットストップで見事な仕事を成し遂げてくれたピットクルーにも感謝したい。今日はこの成功の喜びをかみしめ、次戦バーレーンにはより高いモチベーションで臨みたい」

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