第14戦シンガポールGP(23日決勝)は、ばん回を期するセバスチャン・ベッテル(レッドブル)に注目だ。
第12戦ベルギー、第13戦イタリア2連戦を終えてディフェンディング・チャンピオンのベッテルは、選手権トップのフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)に39点離され、ランキング4番手に位置している。ベッテルのマシンRB8は、イタリアGPの舞台モンツァで高速ストレートの走りに苦しんでいた。
「僕ら最大の課題は直線スピードが欠けていることだ」と、『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』に語るベッテル。モンツァでは、アロンソとのポイント差が一気に15点広がった。
「直線の速さでは、とにかく最初から最後までビリを争っていた」
「幸いこれからのレースはそれほど長いストレートがない。勝利を賭けた戦いができるはずだ」
3年連続タイトルを狙うベッテルだが、王座防衛はかなり厳しいとする海外のマスコミもいくつか見受けられる。
レッドブルのオーナー、ディートリッヒ・マテシッツは『Salzburger Nachrichten(ザルツブルガー・ナッハリヒテン)』にこう話す。「数字上の可能性がある限り、私たちは信じ続けるよ」
エナジードリンクメーカーであるレッドブルでモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ博士は、逆に現実的な考えの持ち主だ。マルコは『Bild(ビルト)』へ次のように話している。
「今後、厳しくなるだろうね」
「われわれはアロンソを見習うべきだな。アロンソのように毎戦表彰台、もしくはポイントを稼げば、まだ勝ち目はあるよ」
しかし、その前に解決すべき問題がある。イタリアGPのフリー走行に続き、決勝で音を上げたオルタネーターだ。オルタネーターは発電などをするパーツだが、第8戦ヨーロッパGPでベッテルは、トップを走行中にオルタネーターのトラブルでリタイアしていた。その後、対策が施されたが、前戦イタリアGPでオルタネーターのトラブルが原因でリタイアしている。
エンジン供給元のルノーは電装系にイタリアのマニエッティ・マレリを使用するが、ベッテルのオルタネーターは、いずれのときも高温下で壊れている。そして今週シンガポールは、気温30℃台前半を記録しているのだ。
ルノーのレース・オペレーション責任者レミ・タフィンは、ベッテル自身が故障を引き起こしたのではないとしている。
「彼(ベッテル)とは何の関係もないよ」