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セバスチャン・ベッテルのペナルティーは「重過ぎる」

2012年07月27日(金)11:25 am

ドイツGP終盤にセバスチャン・ベッテル(レッドブル)がジェンソン・バトン(マクラーレン)を追い抜いたそのやり方がルール違反だったとしてベッテルに20秒のタイム加算ペナルティーが科されたが、所属チームのレッドブルはこの裁定に異を唱えている。

ドイツGPのレース審査員らが下したこの決定により、ベッテルは2位から5位に降格となった。レッドブルでアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは「後味の悪い」結果だと話している。

24日(火)にマルコは、運営側は時に「ダブルスタンダード」の姿勢をとると話しており、特定の人物に対して厳しい裁定を下し、他とは明らかに違う姿勢を見せるというのだ。

レッドブルが所有するオーストリアのTV局『Servus TV(セアヴスTV)』に対して、マルコはベッテルに下されたペナルティーを「鶏肉を盗んだだけで死刑になるようなもの」だと表した。

レッドブルの姉妹チームであるトロ・ロッソのドライバーに抜てきされたジャン・エリック・ベルニュもまた、ベッテルがコース外を走行したのはバトンに押し出されたせいだと考えている。

「セバスチャンと同じ状況になったら、僕も全く同じ行動をとるさ」

マルコはまた、コース外の走行で順位を上げたベッテルがバトンに順位を一度譲るように求める指示を、FIAがレッドブルに対して出さなかったことも明かしている。通常、コース外を走行して追い抜きを成功させたドライバーに対しては、一度その順位を戻してもう一度抜き返すように、と所属するチームに対してFIA(国際自動車連盟)からレース中に指示が出される。しかし、ベッテルには順位を戻すようにとの警告もなく、レース終了後の審議でレース結果に20秒加算ペナルティーが科されている。

「警告がなかったんだ」

F1関係者の間では、これはFIAとレッドブルが対立しつつあることが原因だとする意見もある。

ドイツの『Bild(ビルト)』紙は、「F1では、最高権力者のバーニー・エクレストンがレッドブルの味方だというのは周知の事実だ。そして、エクレストンはFIA会長のジャン・トッドにとって最大の敵なのだ」とつづっている。

現状、F1で最も権力の強いこの2人は新コンコルド協定の締結をめぐって対立関係にある。

『Der Spiegel(デア・シュピーゲル)』紙のラルフ・バッハ記者もまた、水面下の「権力争い」を指摘し、レッドブルはエクレストンの「操り人形だ」と主張している。

ベッテルは、ドイツGPの問題の場面で自分に非はなかった、とレース審査員に誠意をもって伝えていた。

「結果がひっくり返るようなことはしないように、今後は気をつけるよ」とベッテルは話している。

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