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華やかなF1、その舞台裏では?

2012年06月26日(火)7:46 am

1950年の世界選手権化以来、世界最高峰の4輪モータースポーツとして輝きを放ち続けているF1といえども、現実から逃れることはできないようだ。

先週末に行われたヨーロッパGPは、スペインでも有数の港町であるバレンシアの市街地に作られたサーキットが舞台。青い空と白い雲に彩られた港に停泊するヨットの中でもひときわ目立つのが、フォース・インディアのチーム代表ビジェイ・マリヤが所有するインディアン・エクスプレス号だ。ゲストを迎えるマリヤは、航空会社キングフィッシャーのトップでもある。

ヨーロッパを襲う不況の影響から空席が目立つグランドスタンド、そしてパドックのあちらこちらから聞こえる緊急コスト制限を求める声とは裏腹に、2011年時点では世界で26番目に大きかったこのヨットはにぎわいを見せていた。

キングフィッシャー航空も不況のあおりを受けて株価が暴落している一方で、「マリヤは現状の良し悪(あ)しすら知らないのではないか」と、ウィリアムズの共同オーナーであるトト・ヴォルフがオーストリアの『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』紙に語っている。

マリヤの認識はともかく、F1の本場ヨーロッパを襲う不況にこのスポーツが無関係でいられるはずもない。F1では支出削減あるいは収入増加の方法が探られている。収入を増加する方法として挙げられているのが、年間開催レース数を増やし、新たなプロモーターから収入を得るという方法だ。

そのため、2013年には3戦、あるいは4戦もレースが増えるといううわさもある。このうわさに「1年は52週間ある。26戦やってはどうだろう!」と半ば本気で言ったのはトロ・ロッソのチーム代表フランツ・トストだ。この言葉に大笑いしたロータスのチーム代表エリック・ブーリエも、「正確な(レースの)数や魔法の数はわからないが、フランツとおおむね同意見だね。もっとレースを、なぜそうしないんだ?」と冷静な言葉を発していた。

もうひとつの方法は、規模の大きいチームの収入源を新たに見つけることだ。小規模チームが設計開発費用を大幅に抑えられ、かつスポンサーに強くアピールできる方法、つまり、他チームの車両を購入するカスタマーカー導入案だ。

賛否両論あるカスタマーカー導入案について、F1の最高権威バーニー・エクレストンは『Sapa-AFP通信』へ次のように語っている。

「特定のトップチームが前年に使用したクルマを購入してレースを走る小規模チームが複数あってもいいと思っている」

「ドライバーは新人がいいかもしれない。チームによっては、支出を抑えながら今以上の成績を挙げられる可能性がある。即座にね」

カスタマーカー導入に乗り気のエクレストンは、予算制限案には消極的だ。

「(予算制限は)意味がないだろう。チームが使えるだけの資金を使うのは止めようがない」とエクレストンはスペインの『AS』紙に語っている。

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