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F1第8戦ヨーロッパGPのみどころ

2012年06月21日(木)9:17 am

F1は再びヨーロッパへ。バレンシアの港湾地区でスペイン2つめのF1レース、ヨーロッパGPが開催される。

本来、F1は1国1開催が原則になっているが、スペインの人気ドライバー、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)の活躍により、スペインで2レースを開催することになった。しかし、すでにスペインではバルセロナでF1が開催されていたため、バレンシアでのレースは「ヨーロッパGP」として行われる。

・開催サーキット
ヨーロッパGPが開催されるのは、バレンシアの港湾地区に作られたバレンシア市街地サーキット。市街地サーキットではあるものの、コース幅は広く、高速になる長いストレート区間もあるため、モナコよりもカナダGPが行われるジル・ビルヌーブ・サーキットに似たコースになっている。

港湾地区にあるサーキットのため、F1サーキットには珍しく、橋がコース上に存在する。この橋は旋回する形で可動できるようになっており、バレンシアで大きな特徴の1つになっている。また、コースとタイヤバリアや壁の間に、ランオフエリアと呼ばれる大きな空間が設定されている部分も多いが、市街地サーキットであるためコース脇に壁が迫っている区間もあり、油断はできない。

さらに、夏到来を控えたスペインでの開催ということもあり、気温が高くなりやすい。タイヤサプライヤーのピレリは、4種類あるコンパウンドのうち、中間の硬さであるソフトタイヤとミディアムタイヤを持ち込む。ソフトタイヤはタイヤ側面のロゴが黄色、ミディアムタイヤはタイヤ側面のロコが白。決勝では、雨用のタイヤを使用しない限り、この2種類のドライタイヤ両方を使用しなければならない。

・予選が重要なコース
バレンシアは市街地コースであるため、決勝ではコース上での追い抜きがしにくい。低速コーナーへ続くストレート区間もあるため、当初は抜きやすいレイアウトとも言われたが、実際には決勝中の追い抜きが難しいサーキットだった。コース上での追い抜きが難しいため、予選結果が重要になってくる。

決勝で前を走るクルマのペースが上がらない場合、自分の方が速くてもコース上で抜くことは難しい。そのため、決勝は1つでも前の順位からスタートしたい。しかし、今季のピレリタイヤは性能低下が早いことから、予選ではタイヤを温存するチームも出てきている。

決勝のスタート順位が下がることを覚悟して予選でタイヤを温存するのか、逆に決勝でタイヤ性能が落ちることを覚悟して予選から積極的にタイヤを使い、スタート順位を優先するのか、2通りの作戦が見られる可能性もある。

・優勝争いは?
今年は、これまでの7戦で7人の勝者が誕生する大混戦になっている。これまでに優勝したチーム、特にレッドブル、マクラーレン、フェラーリは、今回も速さを見せる可能性が高いだろう。そして、今回はロータスが優勝争いに絡んでくる可能性もある。

今季は何度か速さを見せることがあったロータス勢だが、気温の低いコンディションを苦手にしていた。しかし、バレンシアは暑いコンディションになることが予想されている。そのため、ロータス勢がバレンシアで優勝を争う可能性もある。ロータス勢はまだ今季に優勝していないことから、もしバレンシアで優勝すれば、開幕からの8戦で8人目の勝者が誕生することになる。

・小林可夢偉、ザウバーの動向は?

前戦カナダGPでは、セルジオ・ペレスが3位表彰台を獲得したザウバー。カナダは優勝争いをしていたフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)とセバスチャン・ベッテル(レッドブル)のペースがレース終盤に落ちたことも大きく影響していた。だが、暑いコンディションがタイヤのパフォーマンスに影響した場合、バレンシアでも似たような状況になることが考えられ、ザウバーのチャンスも大きくなる。

また、ペレスが第2戦マレーシアGPでも表彰台を獲得していたのに対し、可夢偉はまだ表彰台を獲得できていない。そのため、可夢偉が今季限りでシートを失うのではないかとのうわさも出始めている。可夢偉としても、周囲を納得させるような成績を残し、こういったうわさをぬぐい去りたいところだろう。

F1第8戦ヨーロッパGPは、22日(金)現地時間10時(日本時間17時)に開幕。決勝は24日(日)現地時間14時(日本時間21時)にスタートする。

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