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ルイス・ハミルトンへの厳罰を競技委員長が説明

2012年05月17日(木)4:39 am

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のF1競技委員長チャーリー・ホワイティングが、スペインGPでルイス・ハミルトンの予選記録をはく奪し、ポールポジションから一気にグリッド最後尾へと降格させた処分は適切なものであったと語っている。

ハミルトンは、スペインGP予選でトップタイムを記録したものの、予選結果から除外というペナルティーを受けていた。F1では、燃料をチェックするため、サンプル用の燃料をタンク内に常時1リットル残すことが義務付けられ、フリー走行や予選後には、自走でピットへ戻ることもルールで規定されている。

しかし、ハミルトンはギリギリの燃料で予選を走っていたことから、ピットへ戻ると燃料を1リットル残せない状態になった。そこでマクラーレンは、サンプル用の燃料を残すためハミルトンへクルマをコース脇に止めるよう指示。マクラーレン側は不可抗力だと主張したが、競技委員会はこの主張を退け、必要量の燃料を搭載していなかったとして、ハミルトンを予選結果から除外した。

必要量の燃料を搭載しなかったマクラーレンのミスを非難する声も多いものの、それに対して競技委員会が下したペナルティーについても、世界中のメディアが口をそろえて「厳しすぎる」と論じていた。

マクラーレンのチーム代表であるマーティン・ウィットマーシュも「正直に言って、こういうペナルティーを受けることになるとは思っていなかったよ」と話している。

ハミルトンが燃料搭載量のルールに違反していたことが明らかなのは、予選最終セッションのQ3のみである。そのため、Q3のタイムのみをはく奪するという判断もできたのではないかという意見もある。

しかし、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』から、ハミルトンに対するペナルティーは厳しすぎるのではないかと尋ねられたホワイティングは次のように述べている。

「ほかの裁定をする余地はなかった。もし(予選で)違反があれば、(ペナルティーは)予選の一部ではなく全体に対して適用されることになる。予選はQ1から始まっているのだからね」

もし今回、ハミルトンのQ3タイムのみをはく奪したとすれば、予選終了後に燃料をチェックされない可能性に賭け、リスクを冒そうというチームが出てくる可能性もある。そんな前例を作ることはできないというのがウィットマーシュの意見だ。

『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、各グランプリの予選後、実際に燃料サンプルの抜き打ちチェックを受けるのは1台か2台のみだという。

それゆえ、もしこの違反に対するペナルティーが比較的軽いものであれば、Q3で認められている燃料搭載量よりも少ない燃料で「リスクを冒そう」と考えるチームが出てきてもおかしくないとホワイティングは主張している。

ホワイティングはさらに、昨年のドイツGPにおいても当時トロ・ロッソのドライバーだったセバスチャン・ブエミの燃料に違反があったとして、やはり最後尾まで降格処分とした件を引き合いに出した。そのときにもブエミがQ1やQ2でも違反燃料を使っていたかどうかを調べることは不可能だったため、予選記録すべてをはく奪したという前例があると説明している。

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