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混戦模様の2012年F1で目を引くアロンソの強さ

2012年05月16日(水)18:50 pm

混戦が続く2012年シーズンにあって、光り輝く存在が誰であるかは明らかだ。元F1ドライバーのクリスチャン・クリエンが語った。

クリエンはオーストリアの『APA通信』に、現在の役目はウィリアムズのシミュレーター作業であると明かしつつ、次のようにコメントした。

「2012年シーズンは誰にもチャンスがある。けれど、フェルナンド・アロンソは突出しているね」

アロンソは、現チャンピオンのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)と同ポイントで2012年ドライバーズ選手権の首位に立っており、続く3位のルイス・ハミルトン(マクラーレン)に8ポイントの差をつけている。

フェラーリの2012年型車F2012は競争力が高くないと言われるが、それに乗るアロンソの成績は、中国GPの9位がシーズン最低順位だ。つまり、アロンソは開幕以来すべてのレースでポイントを獲得しており、マレーシアGPでは優勝し、スペインGPでは2位になっている。

「アロンソの乗るクルマはいまいちだ。しかし、彼はすべてのチャンスを生かしている」

「彼は、自分のクルマの力を最大まで引き出せる、完成されたドライバーだ」とクリエンはアロンソについて語った。

3冠王者のジャッキー・スチュワートもクリエンと同意見だ。80年代以降で最も実力者がそろっているとも言われる今年のF1で、アロンソは抜きんでた力を持っていると言う。

「今のF1には、過去数十年で最高レベルのドライバーがそろっている」とスチュワートはスペインのスポーツ紙『AS』にコメントし、さらに続けた。

「誰もがベッテルの強さを口にするね。もちろんベッテルは素晴らしいドライバーだし、ハミルトンも強い。しかし、バトン(ジェンソン・バトン/マクラーレン)、シューマッハ(ミハエル・シューマッハ/メルセデスAMG)、キミ(ライコネン/ロータス)、彼らは全員チャンピオンだ」

「勝利に値するドライバーはほかにもいる。ウェバー(マーク・ウェバー/レッドブル)もその1人だ。若手ドライバーの台頭も著しく、彼らのほとんどが素晴らしいドライバーだが、実際のところ、アロンソは最高だよ」

現役最強の呼び声もあるアロンソが2006年以来チャンピオンの座から遠ざかっている理由について尋ねられたスチュワートは、こう答えている。「理由は簡単さ。最高のクルマを手にする運がなかったんだ」

「そして今、アロンソが乗っているのはひどいクルマだ。けれど、そんな状況にあって、アロンソはますます力を見せている」

とても強いとは言えないクルマに乗りながらも選手権で首位に立つアロンソの活躍により、フェラーリが2012年シーズンをあきらめたとの意見は聞かれなくなった。

一時は2013年に向けた開発に注力すると言われていたフェラーリのチーム代表を務めるステファノ・ドメニカリは、「クルマの開発を続ける」と語っており、その言葉を裏付けるようにスペインGPに持ち込まれたフェラーリのクルマには大幅な改良が施されていた。

「常に表彰台を争えるほどの速さはまだわれわれにない。しかし、タイトル争いに加わりたければ、それ(開発の継続)が唯一の方法だ」とドメニカリは語っている。

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