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F1関係者、本心はバーレーン行きを望まず

2012年04月17日(火)11:31 am

F1関係者のなかに本当にバーレーンに行きたいと思っている者は誰もいない。こう報じたのは、『Times(タイムズ)』紙のF1記者だ。

昨年バーレーンでは、F1開幕戦と開幕前のテストが予定されていたが、いわゆる「アラブの春」と呼ばれる大規模な反政府運動によって騒乱状態になったために中止された。バーレーンでは現在も大規模な抗議デモが続いているとされ、今年もレースを中止すべきだとの意見が広がっていたが、F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)は12日(木)、バーレーンGP(22日決勝)を予定通り開催するとの姿勢を示した。

FIA会長のジャン・トッドは、中国GPが開催された上海インターナショナル・サーキットでも発言を控えていたが、『Times』の記者ケビン・イーソンは、FIAの決定を批判した一連の記事を書いたことに対して、トッドから長々と不満を聞かされたと明かした。

「トッドは、自分が下した決定の責任は自分が背負っていくしかないと認めた」とイーソンは伝えており、また「トッドはバーレーンに行って現地でグランプリを監督する」という。

しかしイーソンは、「チームスタッフやチーム代表、秘書やモーターホームのケータリングスタッフ、広報担当者にいたるまで、大勢のチーム関係者と話したが、本当にバーレーンに行きたいと思っている者は1人も見つけられなかった」と書いている。

ウィリアムズのある女性ケータリングスタッフが、道義的理由からバーレーンに行くことを拒んだところ、チームから契約を打ち切られたという報道もある。

一方、かつて3度F1チャンピオンの座についたことのある伝説的オーストリア人ドライバーのニキ・ラウダは、バーレーンに行くことについて何の迷いもないと語った。

ラウダは現在ドイツのテレビ局『RTL』で解説者を務めているが、普段通りに仕事をするため、バーレーンへ行くかと聞かれると、「ああ、もちろんだ」と答えた。

「FIAとエクレストンは、行っても安全だと信じているから決めたんだ。だからわれわれも行く」とラウダは語っている。

しかし16日(月)には、バーレーンの首都マナマの幹線道路に掲げられた巨大なF1広告に反体制派が火を放って燃やしている写真がインターネット上に登場。また、葬儀に出席していた10代の少年が警察に撃たれて集中治療を受けているとの報道もある。

これに対し、F1の最高責任者バーニー・エクレストンは中国GPの際、「撃たれた者などいない」、「何の話をしているんだ」ときつい調子で『AFP通信』の記者の質問をはねつけたという。

記者によると、「彼(エクレストン)は悪態をつき、怒って歩き去った」という。

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