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F1中国GPの見どころ

2012年04月12日(木)5:37 am

この数年間F1を席巻したレッドブル勢が優勝争いに加われないという波乱で幕を開けた今季F1。第2戦マレーシアGPでは、開幕前から苦戦が予想されたフェラーリのフェルナンド・アロンソと、中堅チームであるザウバーのセルジオ・ペレスが優勝を争うという予想外の展開に。第3戦中国GPで待っているのはレッドブルの逆襲か、さらなる波乱か?

・開催サーキット
中国GPが行われるのは、上海インターナショナル・サーキット。前戦マレーシアGPが行われたセパンと同じく、ヘルマン・ティルケが設計を担当している。このコースで大きな特徴になっているのは1コーナー。非常に長く、大きく回りこむコーナーだが、徐々にコーナーの半径が小さくなるため、コーナーを回りながらの減速が必要な難しいコーナーだ。また、12から13コーナーにかけても大きく回りこむコーナーであり、タイヤに大きな負荷がかかる。

バックストレートは非常に長く、ヘアピンの14コーナーにつながっていることから、この14コーナーが追い抜きのチャンスになる。決勝でDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)を使用できる区間DRSゾーンも、バックストレートに設定される。

タイヤサプライヤーのピレリが中国GPに持ち込むドライタイヤは、4種類あるコンパウンドの中で中間の軟らかさであるソフトとミディアム。ソフトはタイヤ側面のロゴやブランド名が黄色、ミディアムは白で書かれている。決勝では、雨用のタイヤを使用しない限り、2種類のドライタイヤ両方を使わなければならない。

・セッティングの難しいコース
上海には、低速から高速のコーナーがそろっており、長いストレートもあることから、クルマのセッティングが難しいコースだ。バックストレートの終わりにあるヘアピンでは追い抜きが可能なため、ストレートでのスピードを犠牲にすることはできない。しかし、高速コーナーも存在していることを考えると、ストレートでの最高速と、高速コーナーでの空力によるダウンフォースの両方を高い次元で両立させる必要がある。また、低速コーナーもあるため、小さいコーナーから素早く加速する性能も高くなければならない。

つまり、ある特定の性能だけではなく、クルマの総合力が問われることになり、いずれかの部分を犠牲にすることなく、うまい妥協点を見いだすことが必要だ。その妥協点を最も高い次元に設定できたクルマが、上海で最速のクルマになる。

・優勝争いは?
開幕戦に優勝したマクラーレン勢が、今回も強さを見せると予想される。前戦マレーシアGPでは、他車との接触や、コンディション変化に対してうまくタイヤ交換のタイミングを合わせられなかったが、クルマ自体の速さは現在のF1でトップレベルであり、中国GPに向けてさらなる改良を行う。今回もマクラーレンが優勝争いの筆頭になるだろう。

対するレッドブルは、中国GPの金曜フリー走行で2種類のクルマを走らせると明かした。最新版のクルマをマーク・ウェバーが走らせ、チームメートのセバスチャン・ベッテルは開幕前の仕様で走り、走行後に結果を比較するとのことだ。開幕からの2戦で1歩出遅れたレッドブルが、どこまでマクラーレンに追いつけるのか、もしくは追い越してしまうのか目が離せない。

大雨に見舞われ、レースが中断するという波乱のレースとなったマレーシアGPを制したフェラーリだが、クルマ本来の速さではまだ後れを取っている状態だ。マレーシアGPのような荒れた展開にならない限り、フェラーリ勢が優勝争いに加わることは難しいだろう。

・小林可夢偉、ザウバーの動向は?
マレーシアGPでは、小林可夢偉がトラブルでリタイアした一方、チームメートのペレスは最後までアロンソと優勝を争い、自身にとってF1で初となる表彰台獲得を果たした。コンディション変化にうまくタイヤ戦略を合わせられたことが大きいものの、ザウバーの速さにはライバルも注目し始めている。

開幕戦オーストラリアGPでザウバー勢は、スタート直後に接触してクルマを損傷し、手負いの状態だったにもかかわらず、2台そろってトップ10以内でゴールし、入賞を果たしていたのだ。フェラーリ同様、通常のコンディション下で優勝争いに加わることは難しいかもしれないが、中団グループで活躍できる可能性は十分にあるだろう。

・天候がレースを左右する可能性も
中国GPは、雨の影響を受けることも少なくない。もし予選中や決勝中に天候が変わった場合、うまく天候変化に対応しなければ大きく順位を落とすことになる。逆に、うまく対応できれば順位が上がる可能性もあることから、空の様子からも目が離せない。

12日(木)朝の段階でF1公式ウェブサイトには、グランプリが行われる13日(金)から15日(日)にかけて、3日間とも雨との予報が掲載されている。マレーシアGPのように、走行不可能なほど強い雨になることはないとみられるが、ぬれた路面が再び波乱を呼ぶ可能性もある。

2012年F1第3戦中国GPは、13日(金)現地時間10時(日本時間11時)に開幕。決勝は、15日(日)現地時間15時(日本時間16時)にスタートする。

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