F1最高権力者のバーニー・エクレストンが、もしF1チームが22日に決勝が予定されているバーレーンGPでレースを行わないとすれば、それは契約違反に当たると認めている。
これに先立って、いまだに混迷の度を極めるバーレーンでグランプリを開催しようとしていることに対する議論が深まる中、ある匿名のF1チーム代表が彼の仲間たちもバーレーンGPがキャンセルされるほうが好ましいと考えていることを認めていた。
その際、『Times(タイムズ)』紙は、エクレストンの「もしチームが行きたくないというのであれば、そうさせることはできない」というコメントを紹介していた。
さらに、エクレストンは10日(火)には、『PA Sport(PAスポート)』に「みんなに行くことを無理強いすることはできない」とのコメントも行っている。
しかし、実際にはF1チームは契約上F1カレンダーに示された各グランプリへレースを行うために出向かなければならないとされており、これに違反すればF1から排除される罰則が適用される可能性がある。
エクレストンはこれに関し、次のように続けている。
「行かなくてはならない、と言うことはできない。だが、もし彼らが行かなければ、それはわれわれとの契約に違反することになる。しかし、どうしようもないね。商業的には彼らは行くべきだ。だが、行くのか行かないのかを決めるのは彼ら次第だ。私はだれに対しても“われわれはバーレーンへレースをしに行く”ということ以外のことを、言わせないようになどしていない」
エクレストンによると、現地のレース主催者と、バーレーン国家の統括組織がレースをキャンセルできる存在だという。
一方、F1の統括組織はFIA(国際自動車連盟)だ。
「私はトッド氏(FIA会長のジャン・トッド)と話をした。密接に連絡を取り合っていて、彼は今(中国へ)向かっているところだ。また話をするし、各チームとも常に話し合いをする」とエクレストンは明かしている。
さらに、10日(火)にエクレストンがバーレーンの著名な女性ジャーナリストであり活動家でもあるアラー・シェハビ博士に電話をしたことが明らかとなっている。
シェハビによれば、エクレストンはバーレーン政府の反対派に対して、バーレーンGPにおいて “記者会見”を行って欲しい。そうすれば反対派がそこで“メッセージを伝えることができる”だろう、と話したという。
また、牢獄(ろうごく)の中でハンガーストライキ(長時間の絶食)を行っており、死期が近づいていると言われている人権活動家のアブドゥルハディ・アルクハワヤの安否も含め、エクレストンがバーレーンの状況についてとても気にしていたとシェハビは語っている。