ザウバーは、メルセデスAMGが採用した革新的なFダクトシステムについて、単純にそれに飛びついて模倣をするだけの余裕はないとしている。
スイスに本拠をかまえるザウバーはF1においては小規模なチームではあるが、先週のマレーシアGPにおいて今年メルセデスAMGが採用したDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)の作動によって有効となり直線スピードをさらに向上させる機能を持つFダクトのようなシステムを有していないにもかかわらず、レースで勝ってもおかしくないだけのスピードを示していた。
現時点ではFIA(国際自動車連盟)がメルセデスAMGのFダクトについて合法だと判断していることもあり、他のライバルチームたちはそれに対する不満を表明しつつも、大きな予算を有するチームはやっきになってその手法を模倣するであろうことは疑う余地がなさそうだ。
しかし、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、小さいチームにとっては話が違ってくるとしている。
ザウバーのチーフデザイナーであるマット・モリスは次のように語っている。
「もし一から設計を始めるとしたら2カ月はかかるだろう。だが、それによって本当に効果がなくてはならない。まず、それが本当にわれわれにとって価値があるのか、それとも従来のような方法でさらなるラップタイムの向上を目指したほうがよいのか、ということを自問しなくてはならないね。一方で、大きなチームはそうした開発を通常のプログラムと並行して進めることができるだろう」