2012年シーズンを前にドライバーを一新したトロ・ロッソは、今季のドライバー2人に、クラッシュを恐れるよりも全力で攻めろと発破をかけているようだ。母国オーストラリアでの開幕戦を前に、ドライバーのダニエル・リチャルドがそう明かしている。
レッドブルの姉妹チームであるトロ・ロッソは、昨年までステアリングを任せていたハイメ・アルグエルスアリとセバスチャン・ブエミに代えて、リチャルドと、ジャン・エリック・ベルニュをレースドライバーに採用した。
この2人には2013年シーズンからマーク・ウェバーに代わってレッドブルに加入するチャンスがあると見られているが、同時に、前任の2人と同様、すぐに別のドライバーに取って代わられる可能性もある。
「限界まで行くことになるね」
「上の人たちから、“ミスをしたとしても、それは有り得ることだ。少なくとも、攻めていたのだと分かる”と言われたよ」
「もちろん、クラッシュするためにクルマに乗るわけじゃないけれど、チームは僕たちが失敗するところを見なければならないときもあるんだ。それはクラッシュかもしれないし、コース脇の芝生に突っ込んでいく姿かもしれない。限界を知るためにはそういうものが必要なんだ」
「僕は消極的にはならないよ」とリチャルドは話している。
ウェバーの後任についてはルイス・ハミルトン(マクラーレン)が電撃移籍するとのうわさもあったが、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーが今週これを否定し、レッドブルはセバスチャン・ベッテルの新たなチームメートを「外部よりも内部」に求めるだろうと明かしている。
リチャルドはまた、トロ・ロッソでの居場所を維持していくことにプレッシャーと感じているとも語った。
「(トロ・ロッソのレースシートは)僕にふさわしいものかもしれないし、1年しかチャンスはないかもしれない。だから、ステップアップして全力を尽くすよ」