メルセデスAMGがF1タイトル獲得を現実的な目標に据えるのは、2014年以降になるようだ。
メルセデスAMGは、2008年を最後にF1から撤退したホンダがもとになっているチーム。ホンダがチーム代表ロス・ブラウンらにチームを売却すると、ブラウンGPとして再出発した同チームは2009年のタイトルを獲得。2010年にはメルセデスが同チームを買収したが、2010年、2011年ともにチームランキング4位でシーズンを終えている。
ドイツの『DPA通信』が伝えたところによると、メルセデスのモータースポーツ責任者ノルベルト・ハウグは、メルセデスAMGがすぐにタイトルを狙うのは難しいと語った。
「4位からいきなり1位にはなれないのだから、4位、3位、2位、1位と順番に上がっていきたいね」
つまり、今年のメルセデスAMGが目指すのはチームランキング3位、2013年にはランキング2位、そして2014年にタイトル獲得を目指すことになる。
メルセデスAMGのチーム代表ロス・ブラウンも、メルセデスAMGの2012年型車W03が「勝てるクルマ」なのか質問され、「まだだ」と答え、こう続けた。
「この12ヶ月の間、われわれは大きく前進してきた。しかし、まだやるべきことが多く残されている」
一方、ハウグは『Die Welt(ディー・ヴェルト)』紙から、W03に搭載されているとうわさの「Wダクト」についても質問されたが、詳しくは語らなかった。メルセデスAMGは、フロントノーズ先端から空気を取り入れ、それをノーズの両端へ流し、コーナーでのハンドリングを向上させるシステムを開発したとされ、これがWダクトと呼ばれている。
「新聞で読んだよ。そんなパーツがあるなら、まっさきにテストするだろうね」とハウグは話すのみだった。
また、メルセデスAMGが今後目指すものについてハウグは「われわれのエンジンは最高だと言われている。われわれのKERS(運動エネルギー回生システム/ブレーキング時のエネルギーをためて加速するシステム)も最高だと言われている。そして今、われわれが手に入れたいのは最高のクルマだ」と語っている。