ウィリアムズは、2月7日(火)にスペインのヘレスで始まるテストに2012年型車を投入する予定だ。
これはウィリアムズのチーフ・オペレーション・エンジニアのマーク・ジランが語ったもの。ジランは昨年まで使用していたコスワースエンジンに代わり、新たにルノーエンジンを搭載したニューマシンFW34のコースデビューが、2月7日(火)にスペインのへレスでシーズン初テストが始まる前に新車での初走行を行うと話している。
「われわれはクリスマス前、無事にクラッシュテスト(衝突安全試験)を通過することができた」
「新車のお披露目時期は2月上旬にテストが行われるヘレスを予定している。これまでのところ、数値上ではいい仕上がりのようで、目標を達成することができているよ」というジランのコメントを『Auto Motor und Sport(アウト・ モートア・ウント・シュポルト)』が掲載した。
ウィリアムズは、屈辱的な成績で終わってしまった2011年シーズン途中に組織改編を行った。そして2012年の目標は、常にトップ10以内でゴールすることが可能なクルマを造り上げることだとジランは語る。
「大きく前進することが簡単でないのは承知している。しかしこれまでのところ、クルマの仕上がり具合を見る限り、再び最終予選まで進み、常にポイントを獲得できると確信するだけの根拠はある」
また、ドライバー部門とチーム部門の連覇を果たしたレッドブルが先鞭(せんべん)をつけ、昨年のチーム部門の年間総合ランキングで2位を獲得したマクラーレンも開発を進め、その威力を存分に発揮させたブロウンエキゾーストを今シーズンからルール違反としたF1統括団体FIA(国際自動車連盟)の姿勢をジランは歓迎した。
ブロウンエキゾーストとは、クルマを地面へ押し付けるためのダウンフォースを発生させるディフューザーへ高温の排気を流し、ディフューザーの効率を高めるシステムだ。こういった新技術の開発にはばく大なコストがかかることから、ウィリアムズなど小規模なチームが開発することは困難になり、結果としてトップチームとの戦力差につながっていた。
「これ(ブロウンエキゾーストの使用禁止)によって、その分野でリードを築いていたチームとの差をいくらか縮めることができる。だから、少なくともシーズン序盤戦は各チームの実力差が近づいているはずだ。もっとも、それも誰かが新しい“飛び道具”の開発をしてしまうまでの期間限定だがね」とジランは話している。