F1第16戦シンガポールGP(マリーナベイ)の決勝レースが行われ、カルロス・サインツ(フェラーリ)がポールトゥウィンで通算2勝目を飾った。今シーズン連勝し続けてきたレッドブルを止めたのはフェラーリとサインツだった。
●【2023F1第16戦シンガポールGP】全セッションの結果・開催スケジュール
終盤トップ4台は激しいバトルを繰り広げていたが、2位はランド・ノリス(マクラーレン)、3位はルイス・ハミルトン(メルセデス)だった。最終ラップ、3番手を走行していたジョージ・ラッセル(メルセデス)だったが単独ミスでクラッシュしてしまった。
今シーズン負け無しのレッドブルだったが、マックス・フェルスタッペンは5位、セルジオ・ペレスは8位となり、今シーズン初めて表彰台を逃した。
レッドブル・レーシングと同じホンダRBPTのパワーユニットを搭載するアルファタウリF1は、3戦目のリアム・ローソンが9位初入賞で2ポイントを獲得、角田裕毅はオープニングラップでペレスと接触してリタイアだった。
■F1シンガポールGP:決勝レースレポート
■1周目(オープニングラップ)
ブラックアウト!ターン1はカルロス・サインツ(フェラーリ)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)のフェラーリ勢!
すぐ後ろのジョージ・ラッセル(メルセデス)にアウト側から並んだルイス・ハミルトン(メルセデス)がオーバーラン!ターン2でハミルトンはラッセルの前でコースに復帰した。ラッセルのすぐ後ろにはランド・ノリス(マクラーレン)とフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がつけている。ラッセルは「順位戻してくれるんでしょ?」と無線で訴えている。ハミルトンはラッセルに対して安全に順位を譲るポイント探しているようだ。
あーっと、角田裕毅(アルファタウリ)の順位が最後尾19番手まで落ちた。セクター3でイエローフラッグだ!角田裕毅がターン14で止まっている!しかしすぐにグリーンフラッグに戻された。
■2周目
角田裕毅はすでにマシンを降りているのが映像に映し出された。前戦イタリアGPではフォーメーションラップ中にトラブルでスタートできなかったが、シンガポールではスタートできたものの1周もすることができなかった。
3番手ハミルトンはラッセルに順位を戻して4番手へ。これで審議対象の件は戻したことになる。しかし、5番手ノリスは「ハミルトンは2ポジション戻すべきだ。ハミルトンはラッセルのためにブレーキングを遅らせて僕の前に出たんだ」と訴える。つまりハミルトンは曲がれないことを承知でターン1でノリスの前に出ていたから、ノリスの後ろがハミルトンの本来のポジションだ、と訴えている。
このラップの終わりにジョウ・グァンユ(アルファロメオ)が早くもピットインしてハードタイヤに交換した。このまま走りきる戦略か?
■3周目
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がケビン・マグヌッセン(ハース)に並びかけるが、イン側のマグヌッセンが守った。
■4周目
ターン2でハミルトンがアドバンテージを得た件が記録された。ノリスにも順位を戻すのか?
■5周目
オープニングラップのリプレイ映像で、アウト側からターンインしていく角田裕毅(アルファタウリ)とイン側のセルジオ・ペレス(レッドブル)が接触してパーツが飛び散っているのが映し出された。ダメージは大きそうだ。
■6周目
フェルスタッペンがマグヌッセンを攻略して8番手へ!
オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がペレスをパスして13番手へ。しかし、その後すぐにペレスが抜き返した。
■7周目
ターン1でピアストリが仕掛けるがペレスが順位を守った。
■8周目
6番手フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)の1秒以内にオコン、その1.3秒後方にフェルスタッペンが近づいている。
■9周目
先頭はサインツ、1秒以内にルクレール、そこから2秒後方にラッセルが食らいついている。
■10周目
フェラーリはルクレールに対して「ターゲットはサインツに3秒必要だ」と伝えた。これはフェラーリが優勝するにはラッセルに対して3秒以上の差が必要だという意味だと思われる。
■11周目
1秒以内だったサインツとルクレールの差が一気に広がり1.5秒差にまで広がった。
サインツは「このペースなら永遠に走れるよ」と無線で伝えた。かなり余裕のあるペースのようだ。
■12周目
タイヤに厳しいフェラーリは、あえて遅いペースで走ることでタイヤのデグラデーションを抑えて長く走ろうとしているようだ。
■14周目
トップのサインツから5番手ハミルトン、3秒空けて6番手アロンソから8番手フェルスタッペン、2.5秒空けてマグヌッセンから15番手アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)まで数珠つなぎだ。
■15周目
フェラーリはルクレールへ「ターゲットはサインツと3秒だ」と伝えると「分かってるよ、やろうとしているけど僕にもリスクがあるんだ」と無線で言い返した。
■16周目
2番手ルクレールはファステストラップを出すが、その後またペースを落とすと、3番手ラッセルも同様にペースを落として等間隔で走っている。
■17周目
サインツがファステストラップを記録すると、ルクレールとの差がじわじわと広がっている。
フェラーリはルクレールに「今はサインツと2.3秒差だ。5周以内に5秒差まで広げてくれ」と伝えた。
これは、まもなくタイヤ交換時期になるため、ラッセルのアンダーカットまたはオーバーカットを防ぐためにはサインツに5秒差を築かせたいという意味だ。
■18周目
ラッセルは「勝つために何をしたらいいか教えてくれ」と訴えると、メルセデスは「フェラーリ勢にプレッシャーをかけ続けてくれ」と返した。
マクラーレンからピアストリへ「5分くらいで軽い雨が降るかもしれない。おそらく数分で止むと思う」と伝えた。
■19周目
セクター2でイエローフラッグだ!ローガン・サージェント(ウィリアムズ)が単独クラッシュ!フロントウィングを落としてフロア下に引っかけながらピットへ戻ろうとしているがデブリがあちこちに落ちている。
■20周目
ここでセーフティカーだ!
サージェントは無事にピットへ戻ってノーズ交換を行った。
先頭のカルロス・サインツ(フェラーリ)がピットイン、ハードタイヤへ交換してトップでコースに戻った。
他のドライバーも続々とピットイン。
シャルル・ルクレール(フェラーリ)がピットインのタイミングで後続のラッセルとノリス、さらにステイアウトしたペレスにも抜かれて6番手に順位を落としてしまった。
ルクレールは「何があったの?」と尋ねると「ピットレーンのトラフィックがあったから待たなければならなかったんだ」と伝えた。
フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がピットレーン入口でオーバーランをしてしまい、再び縁石をまたいでピットレーンへ入ってしまった。これはペナルティ対象になりそうだ。
■21周目
これで現時点のトップ10(順位/ピット回数/ドライバー)は以下の通り。全員がハードタイヤを装着している。
1(1)カルロス・サインツ(フェラーリ)
2(0)マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
3(1)ジョージ・ラッセル(メルセデス)
4(0)セルジオ・ペレス(レッドブル)
5(1)ランド・ノリス(マクラーレン)
6(1)シャルル・ルクレール(フェラーリ)
7(1)ルイス・ハミルトン(メルセデス)
8(1)フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
9(1)エステバン・オコン(アルピーヌ)
10(0)バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)
■22周目
サインツのすぐ後ろにはタイヤ交換をしなかったフェルスタッペンがつけている。フェルスタッペンの大逆転があるのか?
■23周目
セーフティカーがピットに入ってレース再開!サインツが引き離す!フェルスタッペンは滑っていてペースが上がらない!
4番手ペレスにノリスが仕掛けてオーバーテイク!そこにハミルトンも飛び込んできたが、それはペレスが守った。
■24周目
ハミルトンがペレスをパスして5番手へ!
ノリスがフェルスタッペンをパスして3番手へ浮上!タイヤ交換をしていないレッドブル勢、大苦戦!
■25周目
トップのサインツにラッセルがぴったりついている。
セーフティカー後、DRSが使用可能になった。
フェルナンド・アロンソに5秒ペナルティが出された。先ほどのピットレーン入口で縁石をまたいで入った件だ。
■26周目
やはりレッドブルF1の2台はペースが上がらない。
■27周目
ハミルトンがフェルスタッペンをオーバーテイクして4番手へ!
■28周目
ルクレールがフェルスタッペンをパスして5番手へ!ここまで好調なシーズンを送ってきたフェルスタッペンだったが、いったい何が変わったのか?
■29周目
8番手アロンソはターン1で大きく飛び出したものの、まだ順位をキープしている。
2番手ラッセルは無線でサインツに抑え込まれていると訴えている。タイヤに厳しいフェラーリだが、このまま守り切れば勝てる可能性はまだある。
■30周目
レッドブルF1の2台は、フェルスタッペンが6番手、ペレスが7番手となった。5秒のタイムペナルティがまだ残っているため、アロンソにとっても役に立たない。
■31周目
まだサインツがトップ、ラッセルが1秒以内で続いている。ノリスも3番手で迫っていて、ハミルトンもDRS圏内の4番手にいる。ルクレールは5番手だ。
■32周目
フェルスタッペン「氷の上を走っているようだ」と無線でグリップがないと訴える。
フェルナンド・アロンソがF1史上初めてレースで10万kmを走行したドライバーとなった。
■33周目
フェルスタッペンはタイヤ交換をせず33周を走行している。
■34周目
250戦目のセルジオ・ペレスだが、7番手を走行している。
■35周目
ピエール・ガスリー(アルピーヌ)がケビン・マグヌッセン(ハース)を抜いて10番手へ浮上した!
■36周目
ケビン・マグヌッセンが15番手まで下がっている!何か起こったのか?
■37周目
リプレイ映像によると、ガスリーと争った際、マグヌッセンがターン1でワイドに走行し、ガスリーに順位を譲った。そのせいでマグヌッセンはタイヤが汚れてしまったようで、ターン7で再びワイドになり、現在は16番手に後退した。トップ10圏内にいたハースだったがポイントは消えてしまった。
■38周目
7番手争いが激しい!しかしペレスは7番手をキープし、オコンは8番手に浮上、アロンソは9番手に後退した。
■39周目
レッドブルF1の2台はまだセーフティカーを待ってタイヤ交換を我慢している。
■40周目
セルジオ・ペレスがピットインしてミディアムタイヤへ交換。セーフティカー待ちという戦略が当たらなかった。
■41周目
フェルスタッペンがピットイン時に白線を越えそうになった。ミディアムタイヤに交換した。15番手でコースに戻った。
■43周目
エステバン・オコン(アルピーヌ)がターン1出口で止まった!イエローフラッグだ!誕生日のオコンは「ノーーー!」と悲痛の叫び。マシンから白煙が出ている。
■44周目
バーチャルセーフティカー(VSC)!ここで続々とピットイン!タイヤ交換を待ち続けたレッドブルにとっては最悪のタイミングだ!
■45周目
フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)はピットストップで5秒ペナルティを消化したが、タイヤ交換でも遅れてしまった。
■46周目
リタイアしたエステバン・オコン(アルピーヌ)はギアボックストラブルの疑いがあるという。
ここでVSCが終了!レース再開だ。
■47周目
イエローフラッグ!ソフトタイヤを履いたフェルナンド・アロンソがスピン!しかしコースに復帰した。
■48周目
すでに全員がタイヤ交換をしており、このままフィニッシュまでピットインをする予定はない。
■49周目
フェルスタッペンがニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)をパスして9番手へ。
■51周目
フェルスタッペンがローソンをパスして8番手へ!それでも新人ローソンはポイント圏内で素晴らしい走りをしている。
■52周目
フェルスタッペンがオスカー・ピアストリ(マクラーレン)に近づいている!
■53周目
3位争いではラッセルがルクレールに対してDRSを使って近づいている。ハミルトンはさらに1.9秒後方だ。
■54周目
ラッセルがルクレールをパスして3番手へ!ルクレールのすぐ後ろにはハミルトンが近づいている!
■55周目
フェルスタッペンがピアストリを簡単にパスして7番手へ!フェルスタッペンの次のターゲットは元チームメイトのピエール・ガスリー(アルピーヌ)だ。
■56周目
バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)がギアボックスに問題を抱えてリタイアした。ドライバーにもマシンにも厳しいサーキットだ。
■57周目
2位争いではラッセルがノリスまであと1.5秒まで近づいている。
■58周目
フェルスタッペンがピエール・ガスリー(アルピーヌ)をパスして6番手へ!その前のルクレールまでは17秒あるため5位はさすがに厳しそうだ。
サインツは意図的にペースを落として、2番手ノリスを1秒圏内に入れたため、フェラーリは警告をしたがサインツはわざとやっていることを伝えた。
サインツとしては、ペースを落とすことで2番手ノリスの後ろのラッセルとハミルトンを近づけてバトルをさせようという狙いだ。
■59周目
イエローフラッグだ!アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)だったが復帰した。
サインツが「フロントタイヤが終わった」と訴えている。耐えられるか?
ノリス、ラッセル、ハミルトンの3台がDRSを使いながら激しいバトルだ!ノリスにラッセルが襲いかかるが守った!
■60周目
サインツの狙い通り、1秒以内につかれているものの後方でバトルをさせることで自身はやや楽になった。逃げ切れるか?
■61周目
勝つのは誰だ!?フェラーリか、マクラーレンか、メルセデスか?
ハミルトンは無線で「ジョージ(ラッセル)はペースアップしないとダメだよ」とプレッシャーをかける。
■62周目(ファイナルラップ)
サインツ、ノリス、ラッセル、ハミルトンのトップ4台のバトルが激しい!このままフィニッシュすれば誰が勝っても今シーズン初めてレッドブル以外が勝つことになる。
サインツが逃げ切れるのか?3番手ラッセルはノリスの真後ろで虎視眈々と狙っている。
なんとターン10でラッセルがクラッシュ!!ラッセルはバリアに突っ込んでいるが無事だ。ラッセルは「ノー!ノーーー!」と無線で叫んだ。いったい何があったのか?
■フィニッシュ
後方にバトルをさせた戦略が功を奏し、逃げ切ったサインツがポールトゥウィンで通算2勝目を飾った!フェルスタッペンとレッドブルの連勝を止めたのは、サインツとフェラーリだった。
2位はランド・ノリス(マクラーレン)だが大満足の様子だ。3位はルイス・ハミルトン(メルセデス)だった。
レッドブルF1の2台が表彰台に上がらないのは今シーズン初めてだ。
4位シャルル・ルクレール(フェラーリ)
5位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
6位ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
7位オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
8位セルジオ・ペレス(レッドブル)
9位リアム・ローソン(アルファタウリ)
10位ケビン・マグヌッセン(ハース)
ここまでがポイント獲得だ。
ファイナルラップでクラッシュしたラッセルのリプレイ映像が届いた。ラッセルは左へ曲がるターン10の入口で右側のウォールにタイヤを当ててしまい、そのままバリアに突っ込んでしまった。サスペンションを壊したようだ。ノリスも同じミスをしたが、運良くレースを続けることができていた。