フェラーリのチーム代表を務めるフレデリック・バスールが、現時点においては2023年型F1マシン『SF-23』の基本コンセプトを見直す考えはないと主張した。
マッティア・ビノットの後任として今季からフェラーリF1チームを率いているフランス出身のバスールは、メルボルン(第3戦オーストラリアGP)での予選ではドライバーたちが「それほど離されてはいなかった」し、決勝では「非常に不運」だっただけだと語り、次のように続けた。
■オーストラリアGPではマシンの能力を引き出すチーム力に欠けていた
「オーストラリアでは異なる方向性で開発を行ったが、私はそれがうまくいったと思っている」
「カルロス(サインツ)はタイヤをプッシュすることで挽回し、最終的にはハミルトン(メルセデス)とアロンソ(アストンマーティン)に肉薄した。我々が選んだ方向性は良さそうだったと私が言うのはそのためだよ」
「だが、バクー(第4戦アゼルバイジャンGP/30日決勝)まで待とう。なぜなら、あるサーキットでうまくいったことが、次のサーキットで必ずしもうまくいくとは限らないからね」
「メルボルンでの問題は、マシンのポテンシャルではなく、それを引き出すチームの能力だったんだ」
それゆえ、バスールは2023年型マシンの基本コンセプトを替えるつもりはないと次のように主張している。
「我々は、このマシンにはまだ改善の余地があると信じているし、開発によって空力的な負荷、バランス、安定性を図ることができる限り、この方向性を継続するつもりだよ」
■バジェットキャップがある以上すべてを変えることはできない
しかし、バスールが2023年型マシンの基本コンセプトを替えるという選択肢をとらなかった理由のひとつにバジェットキャップ(チーム予算上限)があることも間違いないようだ。
「しかし、我々が自分たちの計画を覆すことはできないのも確かだ。風洞時間は限られているし、白紙から始めることを考えるのは非常に難しいんだ」
「バジェットキャップがある以上、すべてを変えることなど考えられないよ。マイアミでは新しいパーツを投入することになるが、バクーではそうせず、低負荷のパッケージを使うことになる」
「マイアミ、イモラ、バルセロナにかけて、いくつかの改良パーツを持ち込むことになる。しかし、我々は最初の計画を尊重するつもりだ。Bカーは用意しない。我々はこのマシンコンセプトの開発を続けていくつもりだよ」
そう語ったバスールは、次のように付け加えている。
「そして、ある時点で、現在のコンセプトを進化させ続けるのか、あるいは、2024年に向けて根本的に異なる道を歩むのかを評価することになるだろう」。