5年目のF1シーズンを迎えているマクラーレンのランド・ノリスが、今季チームメートとしてF1デビューを飾ったオスカー・ピアストリは昨年まで2年間一緒に走ったダニエル・リカルドよりも手強い相手だと示唆した。
イギリスのウォーキングに本拠を置くマクラーレンは、2021年にルノーから移籍してきたオーストラリア出身のリカルドと2023年までの契約を結んでいた。
だが、リカルドが2シーズンにわたって期待していた結果を残すことができなかったことから、マクラーレンはその契約を2022年シーズン限りで中途解除し、今季はその後任として2021年のF2チャンピオンである22歳のピアストリを起用している。
■ピアストリは「必要とされるものをたくさん持っている」とノリス
現在23歳のノリスは、自分よりも若いルーキードライバーのピアストリについてオランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』誌に次のように語っている。
「彼は本当によくやっているよ。正直に言ってね」
「彼はプレッシャーにとてもうまく対応しているし、それが彼の強みのひとつだと思うよ」
「彼は落ち着いていて、自制心があり、速い。つまり、彼は必要とされるものをたくさん持っているんだ」
「彼は、ここ数年の競争相手よりももっと僕に圧力をかけてくるし、それは僕たちチームにとってもいいことだよ」
もちろん、ノリスが言及した「ここ数年の競争相手」とはリカルドのことだ。
■以前と同じリカルドとは思えなかったとレッドブルのボス
ピアストリと同じオーストラリア出身のリカルドは、今季は古巣レッドブルとサードドライバー契約を結んでおり、現時点ではアンバサダー的役割がその中心となっているようだ。
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、今年レッドブルに戻ってきた現在33歳のリカルドは、2014年から2018年までレッドブルで走っていたころに比べるとかなり変わってしまっていたと認めている。
「彼が戻ってきたとき、いくつかの癖が身についていたのは明らかだったよ」
そう語ったイギリス出身のホーナーは、次のように付け加えた。
「2、3年前に我々のもとを去っていったダニエルとは思えないほどだったよ」
■F1を休んだことで「わかったことがある」とリカルド
一方、今年1年を2024年にF1復帰するための準備期間に充てているリカルドは、ここまでそれを利用してマクラーレンで何が問題だったのかを考えてきたのだという。
「まだ数か月しかたっていないけれど、来年グリッドに戻ったときに何を違うようにやりたいのかはすでにわかっているんだ」
ドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』紙にそう語ったリカルドは、次のように付け加えている。
「それはすごくいいことだよ。だって、もし今年もまたマシンに乗り込んでいたら、それはわからなかっただろうからね」
■リカルドの目標は2024年にレッドブルでのF1復帰?
現時点ではリカルドが2024年に向けてどのような計画を持っているのかはわからない。だが、F1関係者の中には、再びマックス・フェルスタッペンのチームメートとしてレッドブルで走ることを目指しているに違いないと考えている者もいる。
「僕は自分がどこにいたいのか、そしてトップチームでより格付けが高くなったときに自分がもっと力を発揮できることもわかっているよ」
F1通算8勝の記録を持つリカルドはそう語ると、次のように付け加えている。
「多分それを達成するのは難しいだろうということもわかっている。だけど、それが僕の目標なんだ」